後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第257回 ヤクザ家業も楽ではありません
2014-01-15
日本社会にはあいまいな金を上納金の形で要求し、それを正当化する仕来たりがあります。
ヤクザ家業や習い事、宗教の一部にみられる仕組みで、日本文化と切り離すことはできません。
会員は不都合を不都合と思いつつも上部の要求に応じています。
脱会したいといえば指の一、二本も切り落とされるのがヤクザの世界。
習い事、宗教の脱会は、金と時間の浪費に過ぎません。会員の嫌な部分と日本文化を長い時間をかけて少し嗜んだだけ。
週刊ポスト一月一日・十日号によると、現役ヤクザ百人に「生まれ変わってもヤクザになるか」と問うと、六○%が「はい」、四○%が「いいえ」と答えたそうです。
質問したのは暴力団を長く取材する鈴木智彦さんで、山口組、住吉会、稲川会と全国の指定暴力団の組員に限ったそうです。
「はい」と答えたヤクザの九割は二十台の若手組員で、「いいえ」と即答したのはすべて年配の経験豊富な上層部だったとのこと。
「映画で観るのと実際にやるのは段違い。汚い話も裏切りも日常茶飯。兄弟分こそ信用できない」と上層部。
暴対法や暴力追放の風潮でヤクザ家業はあがったり。皺寄せが上層部にきているようです。
上納金の増加を嫌って上位の役職を拒む幹部も増えています。
暴力団の維持費は上納金で成り立っています。
親分が配下の組員から、格付けに応じて会費、交際費などの名目で半ば強制的に金銭を徴収し、それによって組織を維持しています。
会費名目だけでなく「義理かけ」による特別徴収金や「カスリ」といって儲けた金の何割かを親分に上納するのが裏技上納金です。
広域暴力団の傘下にあるヤクザの親分も所詮搾取される側で、広域暴力団に上納金を納めなければなりません。
暴力団は警察の締め付けで、日本の伝統文化や宗教は年代差、ワクワク感不足で、会員減に悩んでいます。
時代変化や不景気等に対応できない者は退場するしかありません。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

