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コラム

苦楽歳時記
Vol. 75 冬至

2013-12-13

一二月二二日は冬至、一年中で最も昼が短い。したがって夜が一年を通じて一番長い。この日に、「ん」の付く食べ物を食べる。なんきん(カボチャ)、れんこん、うどん等である。

また、冬至粥を食べたり柚子湯に入る習慣がある。日本の風流な慣習を体験するには丁度良い機会だ。

 芋、蛸(たこ)、南京(かぼちゃの異称)といえば女性が好む三大食材。僕は薩摩芋と南瓜が至って苦手である。子供の頃に風邪を引き始めると、芋粥が食卓に並んだ。薩摩芋を加えて煮た粥ではなく、山芋を薄く切って甘葛(あまずら)の汁を混ぜて煮たてた粥である。

スッポンやてっちり(ふぐ鍋)の最後に食べる雑炊は、風味豊かで身体の芯まで温めてくれる。当地ではもっぱら「う」(うなぎ)雑炊を賞味している。具となる材料は鰻の蒲焼に卵と三つ葉。これなら容易く手に入る。

一合雑炊、二合粥、三合飯と昔から言われたように、雑炊は一番節米になる食べ方である。同時に栄養価が高くて消化に良いので、経済的なダイエット健康食として重宝がられる。
   
最近、にわかにはまり込んでいる吾が家の惣菜は、玉葱とニンニクのかき揚げ。ニンニクをスライスして、後はかき揚げを作るときの要領と同じ。衣は薄めに、からっと揚げるのがこつ。食後にりんごを食べれば、ニンニクを食した後の口臭がやわらぐ。
   
さて、冬至粥は京の白粥にするか、大和の茶粥にするかは意見の分かれるところであるが、正月の終わりの日として、七日正月には七草粥を食べる慣習がある。

正月の遊宴に入る前と、その後に粥を食べる習慣が定着したのは、きっと疲れ果てた胃腸を労わるために、先人たちが考えた慣わしであった違いない。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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