後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第255回 アベノミクスが問われる新年度
2013-12-26
大衆文化の指標、流行語大賞が決まり、二○一四年の元旦を迎えようとしています。
受賞したのは予備校講師、林修の『今でしょ』、テレビ小説「あまちゃん」の『じぇじぇじぇ』、滝川クリステルの『おもてなし』、ドラマ「半沢直樹」の『倍返し』の四つで、受賞数は史上最高といわれています。
とりわけ上司の暴圧に泣くサラリーマンの『倍返し』支持は、民放史上の最高視聴率四二・二%(最終回)によく表れています。
狭い視野のサラリーマンは上司に疎まれ不運を人のせいにします。展望に欠ける自分の無能を棚に上げて・・。
それではいけません。ミクロ、マクロの広い見識を培っていなければ半沢直樹にはなれません。
海外では今後、米連邦議会の中間選挙をひかえた民主、共和両党の綱引き、中国の経済改革の進展などに関心が集まるでしょう。
欧州の経済は危機を脱しつつあるものの大丈夫とも言い切れません。
消費税引き上げで消費者負担が約八兆円拡大する日本では、増税が消費を圧迫することが懸念されています。
国家安全保障局(谷内正太郎局長)を新設したのは北朝鮮、尖閣、慰安婦問題など東アジアの火薬庫に向き合う日本の覚悟の表れです。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの来年見通しによると、消費税引き上げとアベノミクスの行方がイの一番に問われています。
安倍首相は改革者にあらず。成長戦略は古い自民党の手法そのもので、レーガン、サッチャーのそれとも違います。
祖父の岸信介がそうであったように、孫の彼も国家統制主義者です。
官僚を使い民間の賃金上昇や公共投資を推進し、消費税の衝撃緩和に努めるでしょう。
「小さな政府」や「官より民」といった民主改革に与しないのが安倍首相の体質です。
日本の資本主義は成長戦略から生まれるものではありません。国家機関、生産者、労働者間の紛争と協調、そして日米関係から生まれるものだと、同紙は伝えています。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン








