後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第250回 ヒゲは何のために生やすのか
2013-11-20
NYタイムズが「チームでヒゲのない上原は目立つ」と報じたのにはワケがあります。
大リーグの今年の覇者、ボストン・レッドソックス(BR)でヒゲなし選手は日本人クローザーの上原だけ。
全内・外野手はカリブ海賊でも逃げ出しそうなヒゲ面で、とりわけナポリ、ゴームスの顔は楽に小鳥も飼える赤ヒゲで覆われています。
選手がヒゲを伸ばしたのは今春のキャンプから。
○四年Wシリーズを制覇したのはヒゲ面の活躍あってのこと。主力選手は「○四年にあやかろう」とヒゲ伸ばしに合意、実行しました。
ヒゲフィーバーに球団側も便乗し、ヒゲ面と付けヒゲファンに限ってチケットを一㌦で販売する大盤振る舞い。
さらにヒゲ写真を投稿したファンらの〝ベストヒゲ″に、選手のサインボールをプレゼントする熱の入れよう。
反対にBRのライバル、NYヤンキースはヒゲ厳禁の伝統チーム。
前BRのデイモンも前マリナーズのイチローもヒゲを剃ってヤンキース移籍に漕ぎつけました。
ヒゲ是非論は日本にもあります。巨人はヤンキース流で、ヒゲを「むさ苦しい」と禁じています。
前日ハムの小笠原、前ソフトバンクのホールトンはヒゲを剃って巨人入りを果たしています。
片や巨人のライバル阪神はヒゲを容認する立場。
七五年ごろ、捕手の辻が「ワシ、ヒゲ生やす」と言い放ち、球団社長を絶句させました。〝ヒゲ辻″に斉藤、屋敷、五十嵐らが続いたのは『阪神ヒゲ歴』にある通り。
ヒゲの話題で球場内外を盛り上げるのも経営センスの一つ。
大久保利通、伊藤博文らが訪欧した明治の初め、欧州要人のヒゲの威厳に接しました。
とりわけドイツ宰相ビスマルクの大ヒゲに圧倒されました。負けじと帰国後ヒゲを奨励したので、永田町界隈はヒゲのオンパレード。
時代は変わりツルツル顔の平成期・・。
ヒゲで貧相を隠せずヒゲ軍団BRのようにいかない現実を、日本の政治家は嘆くばかりです。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

