苦楽歳時記
vol72 ターキーデイ
2013-11-21
毎年サンクスギビングが近づくと、心がうきうきしてくる。今年も高村邸を訪ねて、恭子さんの作るローストターキーを味わう予定である。
ターキーを賞味するのがなぜ楽しみかというと、彼女の作るローストターキーは、そんじょそこらのローストターキーとはわけが違うからだ。
ターキーの外観は香ばしく焼き上げて、ターキーの身はこの上なく柔らかく仕上げられている。ジューシーなローストターキーを一口味わったとたんに、筆舌では尽くし難い風味と旨味をもたらしてくれる。また、スタフィンとグレービーソースとクランベリーソースが、たまらなく味わい深い。
高村さん夫妻は献身的なクリスチャンで、僕が病で倒れた際も、いち早く深い愛をもって接してくださった。今でも僕と僕の家族に対して、慈愛のまなざしで見守り祈り続けてくださる。
今年の感謝祭(ターキーデイ)は、のんびりと過ごすわけにはいかないようだ。日本送りのエッセイと文芸評論二作を、書きあぐねているからだ。一気呵成に書きあげないと、締め切りに間に合いそうにもない。
一九七〇年代後半、僕が日本にいたころに、締め切りに間に合わない場合は、印刷所まで出向いて執筆をした次第だ。
四、五日前に、日本の文学仲間K君からメールが入った。アメリカのサンクスギビングの様子を独自の観点で捉えて、エピソードも交えながら書いてくれと頼まれた。
この忙しい時期に、気早な仕事が舞い込んだものだ。K君は某新聞社の編集を担当している。締め切りがまた一つかさんだ。無い知恵を絞りに絞って、パソコンと対峙する日々が続く。
あ~ぁ、恭子さんのローストターキーが早く食べたいよぅー!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

