今月の庭仕事
Lesson 102 「野菜の病的な現象についてどのように原因を探り出すか」
2013-11-06
今回は、一般的な野菜の病的な現象についてどのようにしてその原因を探り出すかについて考えてみたいと思います。
「どのようなことが病的な現象か」というと、野菜の葉の色、野菜全体のサイズ、根菜類の根の発達状態などが、本来あるべき姿より異常に違う場合です。原因については、多くの場合、複数の要因が作用しあって病的な状態を作ります。ここでは主な要因について考えてみます。
まず葉の緑色です。本来の色より薄い時には窒素分が足りないことがほとんどの場合に当てはまります。しかし、水はけが良すぎて栄養分が流されてしまった、土壌がアルカリ性になり過ぎた、鉄分などの微量要素がない、ばい菌にやられたなどの原因も考えられます。また成長が早過ぎたり、日光が足りない時にも葉の色は薄くなります。
では、どのようにして緑の葉をした野菜が作れるかというと、連作を避け、水もちと水はけの良い土で元肥や追肥をしっかりやれば大丈夫でしょう。日光の強さと量も考慮に入れると完全です。もちろん最初から良い土に植えるのは鉄則です。
野菜全体のサイズが小さいのは、土の中の栄養分が少なかったり、水やりが少なくて土の中の栄養分が水に溶けて根に運ばれていかない、日光が足りないなどが原因と考えられます。また土の温度が低くても影響します。その解決策は、上記の状況を改善すれば良いわけです。つまり、暖かい時期に育て、元肥や追肥をあげて、水を必要に応じてあげれば良いのです。加えて、土のタイプ、野菜の種類、肥料の種類などを考慮に入れられたら最高です。
トマトやきゅうり、ナスなどがいびつな形になるのは、栄養分(肥料分)のアンバランス、水不足、暑さ、乾燥、寒さの影響でしょう。栽培時期が夏にあたるのでわらや木の葉などマルチをすればある程度防げるでしょう。
次に根菜類です。私たちがほしいのは根の部分ですから、窒素、燐酸、加里などの三要素がしっかり入っている肥料を与えましょう。窒素分の多いものはやめましょう。根が深く入るので水はけが良くて石や木の根などがないところに植えましょう。もちろん水はけを良くし、肥料分が届くように深く耕すことが大事です。特にさつまいもには窒素分を与え過ぎると、良い芋ができないので注意しましょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。日系テレビNTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」でも講師を務めた経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

