後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第247回 競馬万歳!歓喜と惜涙と
2013-10-30
♪走れ走れコウタロー、本命穴馬かき分けて・・♪
一九七四、五年ごろでしたか、こんな歌が巷で流行っていました。
当時ハイセイコーという四歳馬が澎湃(ほうはい)と中央競馬に現れ、人々はその快走に次ぐ快走に狂喜、冒頭の歌を歌いました。
地方競馬から中央競馬に移籍したかと思うと並みいる名馬をごぼう抜き。
弥生賞、皐月賞、NHK杯に次々勝利、競馬ブームに火をつけました。
しかし東京優駿で惜敗。
さしもの競馬ブームもこれまでかと思いきや、俗気を嫌う裏千家の閑話に上る盛況ぶり。
当時私は時事通信社の農林省担当の記者でした。
大レースになると中央競馬監督局の生産局畜産部長や競馬監督課長が記者クラブを訪ね、「本日の馬場はやや重馬場。ハイセイコーは入れ込み模様、腹部に汗をかいている。調子のいい証拠」などと事前レクチャー。
競馬に無関心だった記者蓮も女房が愚痴るほど馬券を買って、取材もそこそこ大型テレビの競馬中継に一喜一憂したものです。
他愛ない一種のインサイダー取引で、ハイセイコーの単勝買いで損をした記憶などありません。
ヨーロッパ競馬の最高峰、パリの「凱旋門賞」(第九二回)に駒を進めた五歳馬オルフェーヴル。昨年に続いて二着でゴール、悲願達成ならず悔し涙を流しました。
優勝したのは二番人気、フランスの三歳馬トレヴ。
直線コースで抜け出すと、オルフェをぐんぐん引き離し、五馬身差でゴールイン。
四着に入った日本馬は武豊騎乗の三歳馬キズナ。最後尾から猛烈に追い上げる大健闘で、次の「凱旋門賞」に望みを繋げました。
東京優駿、ニエル賞(フランス)などキズナに乗って九戦六勝の武は日本の誇る天才騎手。
戦歴は重賞(オープン級の目玉レース)三八七勝、G1級(菊花など最高級レース)九九勝。
先祖は西郷隆盛と縁戚の薩摩藩士。
最盛期に入るキズナに騎乗、次の「凱旋門賞」でオルフェの仇を討つのが私たちの願いです。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン








