後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第246回 大統領お好みの食べ物は?
2013-10-22
ジミ・カーターに敗れたジェラルド・フォードを訪ねたのは一九七六年十月下旬、ちょうど今時分でした。
フォードはパームスプリングスに近いランチョミラージュに5ベッドの家(自ら設計)を建て、隠居生活に入っていました。
グレーターLAプレスクラブがフォード家訪問を企画、記者八人が車二台で押しかけました。
日本人は当時、時事通信社のLA特派員だった私だけ。
雑談の後、ベテイ夫人の手料理が運ばれました。
ビーフステーキ、ローストビーフ、パン、サワークリームのワッフル、マカロニチーズ、オニオンスープ、赤キャベツ、ストローベリー。
「実はね」とフォード。「ベテイが諸君に出した今日の料理、僕の一番の好物なんだ」。
大統領担当でクリントンと面識のあった同僚の話。通りがかりに「これ食べて」とビッグマックを差し出されたそうな。
モニカ・ルインスキと浮名を流した男だが、気さくで家庭人。
好物はヒラリー夫人手作りのチキン・エンチラダ、レモン・チェスパイ、母親のスイートポテト、キャセロール。
同じマック党でも食べつつ職場をうろつくのがオバマ流。
ケネデイの好みはトーストにのせたポーチト・エッグ、ニューイングランド風クラムチャウダー、オレンジジュース。
マリリン・モンロー手作りのポーチト・エッグに目を細めたとも伝えられています。
米国人の舌は粗雑に出来ているのか、大統領だからといってそう凝ったもの食ってませんね。
十八世紀後半、街の一番人気はアイスクリーム。
初代ワシントンはアイスクリームを山ほど買わせ部下にも与え、大統領執務室でピチャピチャ舐めていた様子。
トーマス・ジェファーソン、ジェームス・マデイソン、ウッドロー・ウイルソン、リンドン・ジョンソンらも大のアイスクリーム党だったと言われています。
笑顔のロナルド・レーガン、いつもポケットにジェリー・ビンズを持ち歩いていたそうです。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン








