苦楽歳時記
Vol. 61 まごわやさしい
2013-09-06
末期癌が発覚してから、僕は遅ればせながら健康に留意した。ことに食生活には十分に気を配った。
僕の癌は甲状腺に端を発し、脳、肺、首筋リンパ、骨にまで転移していたので手術の必要性があった。治療を続けてから三年半ほど経った折りに、食事療法で癌は治せることを耳にはさんだ。
知人から食事療法の本を数冊借りてきて、実践してから一年余りが経過した。その間、食事療法だけに留まらないで、トライアル・スタディの抗癌剤の服用と、沖縄フコイダン、プロポリス等の、サプリメントを摂り続けた。
食事療法の基本は、無農薬の野菜を食べることにある。ほぼ毎日飲食するものは、キャロットジュース、豆乳、抹茶、黒ニンニク、きのこ類、雑穀入り胚芽米。
時々食べるものは、青魚、白身魚、鶏肉。デザートに果物、間食にナッツ類。一切口にしないものは、四足動物の肉。積極的に食べるものは、山芋、納豆、大根、にんにく、ショウガ、青紫蘇、もずく、ジャガイモ。
『まごわやさしい』とは、免疫力を高める食材。
ま 豆類
ご ごま、ナッツ
わ わかめ、海藻
や 野菜
さ 魚、青魚
し しいたけ、きのこ類
い イモ類
それから、体温も毎日チェックしている。免疫力を高めるためには、三十六・五度から三十七度に保つのが理想。体温が一度下がると、免疫力は三十パーセント低くなるそうだ。
健常なときの僕は、ほとんど毎日アルコール類をたしなんでいた。現在は年に二、三回。サンクスギビングと誕生日。ビールなら一本、清酒一合、ワインならグラスに二杯まで。
いつか日本に里帰りできたならば、酒宴の席で山海の珍味を心行くまで味わってみたい。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

