Alice in WINEderland
Vol. 36 Kenzo Estate
2013-06-12
いまや、日本だけでなく、アメリカの多くのワイン専門家から、「次世代カルトワイン」と囁かれている業界注目のワイナリー、ケンゾー・エステート。大手ゲーム会社カプコンのCEO、辻本憲三氏が、2010年に、ナパのワイルドホース・ヴァレーに設立。日本の職人魂が表れたナパスタイルと言われるように、繊細さと自由さが混在する、非常にユニークで奥深いワインに定評がある。
葡萄畑は、ナパのワイナリー密集地からは離れた山上、標高1,550フィートに位置し、春から秋の早朝にかけて降りる霧が、欧州の優良葡萄地域に良く似た寒暖の差を生み出している。土地へのこだわりだけでなく、カルトワインの女王と言われる、ハイジ・バレット氏をコンサルタントに迎え、醸造家チームはエリート揃い。オーパスワンのチームが研修に訪れるという逸話もあるとのこと。
現在の主なラインアップは、赤が4、ロゼ1、白1種類で、いずれも、ワインの性格に合った、日本語名が付けられている。シグネチャーブランドである「藍 ($250)」 は、カベルネ・ソーヴィニョン主体で、伝統的なナパのスタイルを思わせるフルーツたっぷりのパワフルなアロマに、層を成した味わいが広がる。お祝いや、ビジネスギフトとして、人気が高い。「紫($250)」は、数種類の葡萄のブレンドで、フランス・ボルドー右岸の格付けワインを彷彿とさせる高貴な印象。一番の売れ筋と噂のボルドーブレンド「紫鈴($100)」は、熟した赤と黒の果実と、柔らかく温かいスパイスとハーブが層を成し、美しいバランスが魅力的。
また、これからの季節にお勧めしたいのが、美しいピンク色のロゼワイン「結 ($80)」。華やかなローズやサクラに、イチゴやチェリーのフレッシュなアロマが楽しめる。また、ソーヴィニョン・ブランの「あさつゆ ($80)」 は、エキゾチックなパフューム香が続く美しく艶やかで、和食とも素晴らしい相性。ハレの日のワインに、是非。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

