今月の庭仕事
Lesson88
2013-05-28
早いもので3月ももう少しで終わりです。落葉果樹の剪定をしたり、休眠期スプレーをしたり、冬期に果樹に寒肥を与えたりしていれば、ピーチなどは、小さな緑の萎縮してない葉が出始めている頃だと思います。寒肥の役割は、朝起きてテーブルについたら、朝食がちゃんと用意されていたという感じでしょうか。つまり、ほしい時にほしい栄養素をちゃんと供給ということです。3月の終わりか4月の初めに、再度、肥料を与えましょう。
気温の上昇と共に芝生(高温系芝生:ベミュウダグラスやセントウオーガスティングラス)も緑を取り戻しつつありますが、夏季の雑草も発芽し始めるので、発芽防止剤、あるいは、発芽防止剤を含んだ肥料の散布も忘れないでください。あるカスタマーのお宅で刈った芝生をオレンジの木の回りに撒いていたら(薄く木の幹には触れないように)、カスタマーが来て「撒くな」とおっしゃる。理由を尋ねたところ、化学肥料を撒いた芝生だからだそうです。オーガニックで育てたいそうです。
ちなみに、芝生には千平方フィートに2ポンドのアクティブ・ナイトロジェン(窒素)が必要です。アクティブというのは実際に含まれている量のことです。ユレア(尿素)の場合、バッグには、46-0-0と表示されています。46というのは%のことで、50ポンドのバッグ全部を撒いた場合、46%(ほぼ半分)がアクティブ・ナイトロジェンとなるので、25~23ポンドがアクティブとなります。
ユレアでアクティブ・ナイトロジェン2ポンド得るためには、4ポンド撒けばよいとなります。同じ化学肥料、21-0-0のアンモニューム・サルフェイトでは21%(ほぼ五分の一)なので、10ポンド撒けば、その五分の一である2ポンドがアクティブとなります。これを有機肥料であるマヌアでアクティブ2ポンド得ようとすると100ポンド必要に、コットンシードミールなら30ポンド必要に、ブラッドミールなら20ポンド必要になります。
芝生のオーガニック栽培は無理なようです。話を元に戻しますが、結局、直接、化学肥料をオレンジの周りに撒くわけではないので、雑草を枯らすためにスプレーし、直接化学薬品が付着した刈り草は果樹の周りや、ベジタブルガーデンには撒かないということで決着しました。スプレーをして、化学薬品が付着した部分というのは翌週の芝刈りで取り除けるので、翌々週からは、またリサイクルができると思ってますが、皆さんのガーデナーさんは、どうしてますか?
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟の新垣安徳さん。コラム「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを執筆。失敗例&成功例まで経験豊富!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

