今月の庭仕事
Lesson85
2013-05-28
今、ちょうど寒肥を与える時期です。落葉果樹は葉がなく冬季の剪定も終わり、1回目のドーマントスプレーも終わっているべき冬眠期に遅効性有機肥料を施す理由は、3月頃に効き始めてもらうためです。葉が出る前に、2回目のドーマントスプレーをすることを忘れないでください。3月に蒔くと6月頃から、6月に蒔くと9月頃から、9月に蒔くと12月頃から効き始めます。1年に4回蒔いて肥やしぎれの期間をなくすのが目的です。 フルーツセミナーでは、常緑果樹のシトラスの実は4月末までに全て収穫するようにとのことでした。実を作り終えた木は疲れきっています。早くノーマルコンディッションに回復してもらうために、吸収の早い三大要素を含んだ液肥を与えます。それから、来年の実が生る花が咲く前に、摘果前剪定を済まる必要があります。どういうことかというと、伸びすぎた枝やからみ枝を剪定して中まで陽が射し込めるように透かし、そこの場所に適した大きさに戻します。
結花、結実後に実が生りすぎている枝より実を取り去る摘果も行ないます。これをしないと、実が生り過ぎて小さくなり、味もうすくなってしまいます。また、実の重みで枝が折れることもあります。2年後に実が生る予定の枝まで失ってしまうと、2年後は収穫が減ってしまいます。摘果は必ず行ないましょう。25枚の葉で1個の実をサポートできるそうです。最後に、実が生りだしたら散水の時間と回数を減らしましょう。葉は糖分を作る重要な場所です。害虫の被害は極力抑えてください。それと、お米のとぎ汁もお忘れなく!
ところで、皆さん、柿はどのように剪定してますか?本などには、「花は前年生枝の頂芽および2〜3芽から伸びた新梢につきます」と書かれてます。簡単に言うと、実が生るためには2年枝が必要だということです。もう一つ重要なことは、実の生った枝は不結果枝となり、そこから先はもう実が生りません。柿を収穫する時に、実が生った枝は深く伐り戻してください。収穫後に伐ろうとしても、どこに実がなっていたか分からなくなってしまいます。どこで伐ろうか迷った時は、今年生枝の箇所で伐りましょう。その枝が来年、前年生枝・二年枝になります。ここでもう一つ考えてほしいのは、今年生枝つまり一年枝を2/3ほど伐り戻すと、そこから伸びる枝は、来年ではなく再来年に、前年生枝・二年枝となります。これを繰り返すことによって、毎年、収穫できるはずです。去年はたくさん生ったのに、今年はあまりないということはなくなるはずです。
■コラムニスト:南加庭園業連盟の新垣安徳さん。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

