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コラム

苦楽歳時記
Vol.37 ジャンケン

2013-05-28

 二十年ほど前から、子供たちのジャンケンのやり方が変わってきた。まず、「最初はグー」で呼吸を整えておいてから、ジャンケンポンが始まる。

 関西では「ジャンケン」のことを、「インジャン」といったりする。このインジャンなるものは言うまでもなく、勝ち負けを決めることにあるのだが、本来は結果よりも、その過程を娯(たの)しむことにあるのだ。

 牽制、後出し、待ったをかける、両腕をねじって両手の穴の隙間を覗くこと等、これらの駆け引きを通して、互いの心の触れ合いが深まっていくのである。

 今は亡き上方漫才界の大御所、中田ダイマル、ラケットの漫才のネタに、ジャンケンを取り入れたものがある。相手がチョキを出して自分がパーの場合でも、「ぼくの勝ちや」と、開き直る。理由を聞けば、「ぼくのパーは鉄板だ」という。

 ジャンケンは遊びを始める前の鬼決めや、先攻か後攻かを決めるための、一種のくじ引きみたいなものである。

 僕は「最初はグー」で始まる、この官僚主義的ジャンケンの仕方に嫌悪をもよおすのだ。ジャンケンを始める間際に、「最初はグー」でタイミングを整えておくと、確かに後出しがなくなる。けれども、そこには人間臭さも、人生の醍醐味も、そして何よりも遊び心が消滅してしまっている。

 志村けんさんが始めた「最初はグー」以前から、流行り始めていたジャンケンで、「あっち向いてホイ」というのがある。あるテレビ局のディレクターの話しによると、あれを最初にやりだしたのは萩本欣一さんだそうである。

 じつは、この「ジャンケンホイ、あっちゃ向いてホイ!」なるネタは、四十年ほど前に、大阪のテレビ局で始まった『脱線スカタン選手権』(吉本興業)という番組の中でのゲームが発端であった。

いずれにしても、たかがジャンケンではないかと思いきや、されどジャンケンである。「最初


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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