後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第207回 ノーベル賞学者の恋人選び理論
2013-01-22
「独身男女の恋人選び」は二○一二年ノーベル経済学受賞者、L・シャプレー(UCLA名誉教授)とA・ロス(ハーバード大学教授)の研究テーマの一つです。
一人の女性が多くの男性にプロポーズされたり、一人の男性が多くの女性に好かれることはよくあるケース。
しかし両者の「受入保留」の理論によれば最上のパートナーを誰でも得られるというのです。
理論によると、男性複数に告白された女性は一番好きな男性を選び、男性一人に告白された女性も告白を受け入れます。
誰にも告白されなかった女性は次を待ちます。
第一希望の女性に振られた男性も第二ラウンドに臨み、第二希望の女性にプロポーズ。男性の希望リストが最後の女性になるまで、同じプロセスを重ねます。
次に女性だけに特典を認めます。前回の告白にOKした女性でも次に告白してきた男性の方が好みなら、婚約を解消できることにします。この特典効果で全員がパートナーを得られるそうです。
想起されるのはジャクリーン・ケネデイのケース。株式仲買人のJ・ハステッドと婚約していた彼女。ジョン・F・ケネデイに出会うと素早く婚約を解消、ケネデイを選んで結婚しました。
ただし以上の理論もやや平等性に欠けるそうです。男性がプロポーズした場合、女性より男性側に好ましい結果となり、女性から告白した場合はその逆になるそうです。
婚活も就活、受験も生存競争の一つ。相互の基準や好みで選んだり選ばれたり。
ノーベル学者の理論といえども机上の遊び。前提条件も異なることだし、話題になるほどうまくいくものでしょうか。
総務省によると、三十代前半で約四割、四十代前半で約二割が未婚で、未婚の九割は結婚したいのにできないそうです。
結婚相談所でさえ甘いことはいいません。
「あなたの思い描く相手は婚活市場にいない。仮にいても相手になってくれません。現実を直視し妥協する勇気こそ必要なのです」。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

