Alice in WINEderland
Vol. 19 Misawa Winery / Grace Wine
2013-01-21
日本ワイン、第3回目の今回は、山梨県の中央葡萄酒。中央葡萄酒は、県内に勝沼・グレイス、明野・ミサワの2つのワイナリーを保有しており、グレイスワインをメインブランドとして展開している。日本特有の葡萄品種、「甲州」の国際的な認知度の向上に向け、活動的な取り組みを行っていることでも国内外から注目を集めている。
今回は、予約制の明野・プレミアムワイナリーツアーに参加。ツアーは、専属ワインアドバイザーの伊東直寿氏による非常に丁寧で分かりやすいガイドにより、ワイン初心者から上級者まで楽しめる充実した内容である。このエリアは、年間の日照時間が極めて長く、また、高地であるため、昼夜の寒暖差が大きいことから、優良な葡萄栽培に適した環境とのこと。葡萄畑を歩きながら、また、収穫前の葡萄を味わいながら、高品質な葡萄の栽培に向けた取組みについて学んだ。畑の水はけの良さを確保するための様々な工夫、また、収穫時の効率を考え、葡萄の果房部を一定の位置に集中させる「スマート・ジャパン・システム」の開発・採用など、そのこだわりとプロフェッショナリズムに感銘を受けた。
テイスティングルームでは、6種類のワインを試飲。その中から2種、グレイス甲州2011とキュベ三澤 白 2009をご紹介。前者は、甲州の特徴を生かし、シトラスやグレープフルーツ、メロンや洋ナシのアロマの他に、どことなく土っぽい、スモーキーな印象が感じられる。フレッシュでクリーンなフィニッシュで、様々なお料理との相性が期待される。一方、後者は、熟した果実のアロマに、ポップコーンやナッツのインパクトを有し、優しいミネラル感やエレガントな複雑味が感じられる。アサリのすまし汁ような香りという伊東氏のコメントは、新鮮ながら、非常に納得できる。最後に、メディア各方面においてご活躍のワイン醸造家、三澤彩菜氏ともお話をすることができ、米国における日本ワインの更なる展開に大きな可能性を感じた。
(公式サイト:http://www.grace-wine.com/)
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

