NikkanSAN_TopBanner_2023-05-07

ロサンゼルスの求人、クラシファイド、地元情報など

日刊サンはロサンゼルスの日本語新聞です。 記事は毎日更新、求人、クラシファイドは毎週木曜5時更新。

コラム

苦楽歳時記
vol. 24 風呂

2013-01-21

きょう(十二月二十一日)は一年のうちで、夜が最も長い冬至。アメリカで生活をしていると、暦の上の時候に対する情緒が鈍化してくる。
 
最近、友に奨められて、レモンや野菜くずを入れた布袋を、湯船に浮かせて風呂に入る。それらが水道の水に含まれている塩素を吸収してくれるので、身体に良いと教わった。 
 
「柚子湯して髪ゆたかなる山乙女」(有泉七種)。古来より、冬至の日には柚子湯に入る慣わしがある。柚子の香りには、邪悪を祓う霊力が備わっていると信じられていたので、柚子湯の入浴で一年の無病息災を祈った。
 
一説によると冬至を湯治にかけて、柚子湯に仕立てた理由は、融通が利くようにとの願いからであったという。
 
「外湯出てすぐに師走の山仕事」(大島民郎)。日本人は風呂好きな民族であるが、入浴はおろか、シャワーも浴びることが少ないのはフランス人だ。
 
現代のフランス人はそれほどでもないが、女性はデートの何日も前から、シャワーすら浴びないように心掛けるという。そして当日には、意に適った香水を振りかけて出掛けるのである。
 
かつてナポレオンも遠征中に、「もうすぐ帰還する。風呂には入らぬように」と、妻のジョゼフィーヌへ手紙をしたためた。
 
風呂上がりの、しっとりと和らいだ妻の容姿を垣間見て、わが女房に惚れ直すのが日本の男性。方やフランスの男性は、女性の汗染みたフェロモンこそが、情欲をそそるための妙薬になる。
 
世間ではホリデーシーズンたけなわ。僕は陋居にて、今年こそは、来年こそはと、温泉で休暇を過ごせることを夢見ている。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
Facebook   Twieet

新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




[ 人気の記事 ]

第230回 碧い目が見た雅子妃の嘘と真

第249回 尻軽女はどこの国に多いか

特別インタビュー アシュラムセンター主幹牧師・榎本恵氏 後編

NITTO TIRE 水谷友重社長 ロングインタビュー① アメリカについてよく知ることが大切

第265回 天才と秀才、凡才の違い

第208回 日本と北部中国に多い下戸

第227回 グレンデールに抗議しよう

特別インタビュー アシュラムセンター主幹牧師・榎本恵氏 前編

第173回 あなたの顔の好みは?

NITTO TIRE 水谷友重社長 ロングインタビュー③ アメリカについてよく知ることが大切



最新のクラシファイド 定期購読
JFC International Inc Cosmos Grace 新撰組3月 Parexel pspinc ロサンゼルスのWEB制作(デザイン/開発/SEO)はSOTO-MEDIA 撃退コロナ音頭 サボテンブラザーズ 





ページトップへ