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コラム

苦楽歳時記
vol.22 歓喜

2013-01-21

『アンパンマン』(原作・やなせたかし)のDVDを観ていて、テーマソングに心が惹かれた。

♪ 何のために生まれ 何をして生きる/わからないまま終わる そんなのは嫌だ/何が君の幸せ 何をして喜ぶ/わからないまま終わる そんなのは嫌だ
   
この歌詞は明らかに人生とは何かを問うている。「悩むかぎり希望を抱け。人間の最高の幸福は常に希望、希望である」。このようなことを語ったのは、確かドイツのシェーファーという詩人であったと記憶している。
   
世間では就職難から、希望を持てない若者が数多といる。近年、最大の景気低迷の煽りを受けて、人員削減等で失職する者や闘病生活の渦中にいる人々は、苦渋の日々を強いられていることであろう。
   
詩人、坂村真民が《試練》をテーマに詩を書いている。

去年の暮から/今年にかけて/病気が続いた/妻が病み/真美子が怪我し/梨恵子が起きたら/佐代子が寝込んだ/うちつづく不幸は/私をぐらつかせ/悪魔は私をそそのかす/尊い幾千の言葉も/苦しむ者を前に見ては/瓦礫(がれき)のように崩れ去ろうとする/この弱さよ/この不信よ/ああいつの日かこの試練に/心から手の合わされるのは
   
フロイトは確言している。「力は、あなたの弱さの中から生まれるのだ」と。見えない、聞こえない、話せない、三重苦のヘレン・ケラーが、「言葉」というものがあることを悟った晩、「ベッドの中で私は嬉しくて、嬉しくて、この時はじめて早く明日になればいいのにと思いました」と、希望に胸が膨らんだ。
 
「なぜなら、患難は忍耐を生み出し、忍耐は練達を生み出し、練達は希望を生み出すことを、知っているからである。そして、希望は失望に終わることはない」。(聖書より)
  
将来、娘が困難に陥った時、如何なる状況においても、感謝する気持ちと喜びを忘れないようにと、思いを込めてJoyと命名した。ミドルネームはベートーヴェンの『第九』、シラーの詩より「歓喜」と授けた。ハレルヤ!


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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