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コラム

苦楽歳時記
vol.21 美味(うま)し鮨屋

2013-01-21

バブル全盛の円安のころ、安価でそれなりの美味しい鮨が、西海岸で食べることができた。時代は変わり、巷では魚介類が高騰して久しい。

その理由の一つに、中国人が刺身に目覚めたことが挙げられる。十三億もの人口が、徐々に刺身に目覚めつつあるのだ。数年前からミル貝が不廉になってきた。中国人の業者が買い占めていると聞く。

関西では刺身のことを「お造り」と呼んでいる。頑固な板前を前にして、「刺身一丁」と言おうものならへそを曲げられる。

野茂がドジャースに正式に入団を果たして、オールスターで活躍をしていたころ、僕は『羅府新報』のコラムで、スシバーのメニューに、トルネード・ロールを加えれば良いと提案をした。早速、リトル東京の鮨屋がトルネード・ロールを考案した。

イチローの時も、マリナーズに入団発表があった翌日に、『USフロント・ライン』のエッセイの中で、イチロールの提案をした。アメリカでは手に入りにくいが、白身魚のスズキをネタに使えば、鈴木イチロールになる。

しばらく経って、NHKのニュースを観ていたら、シアトルの鮨屋がイチロールを始めたと報じていた。それから間もなくして、マリナーズの本拠地セーフコ・フィールドにて、イチロールがデビューした。

五、六年ほど前に、たまに赴いていた鮨屋がガーデナにある。夫婦二人で切り盛りするお店は、知る人ぞ知る隠れ家的な存在だ。僕はその鮨屋が滅法気に入っていた。だが、大病を患い行けなくなってしまった。

僕は独りで静かに飲むのが好きなほうだから、寡黙なご夫妻と共に過ごしていると、とても居心地が良かった。割烹と鮨の味は言うまでもなく、このうえなく佳味である。日刊サンにも広告が掲載されている。

このところ、病気も落ち着いていることだし、久しぶりに、あの、美味(うま)し鮨屋へ赴いてみるかと、思う昨今である。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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