今月の庭仕事
Lesson78
2012-11-14
前回、球根物の植え方について少し書きましたが、書きもらしたことがあります。「土を耕し、有機物(グローマルチ、プランティングミックスなど)と有機肥料を加えて再び耕す」。この仕事は、植える1〜2週間前に終えましょう。
これらの仕事を終えて、球根の種類にあわせた深さの違う穴を間隔を考えながら掘り、その穴にボーンミールを入れ、球根が直接ボーンミールに触れないように土を入れ、1時間水に浸けて置いた球根を植えるのは大変な仕事です。最初は、やる気まんまんでも疲れてくると、「もうこんなもんでいいや」と教科書通りにはやらなくなってしまいます。
有機肥料を土と混ぜた場合、1〜2週間は植物の生育には適さない状態が続くそうで、その期間が過ぎてから植えた方が、後々の生育が良いそうです。2つの仕事を無理して一日で終わらせないで、時間に余裕を持たせて行なうことが、ガーデニングを楽しく長続きさせるコツです。
チューリップの球根は、感謝祭までは冷蔵庫の中で保管することを忘れないように。
今の時期(まだ寒くない)、ガーデナーの仕事柄、注意して見ていることは、「鉄分不足の兆候を示しているプラントがないか」です。柑橘類、キャメリア、アゼリア、ガーデニアなど、葉脈は緑で葉が黄色くなっている時は、アイアンキーレイを含んだ肥料か、またはアイアンキーレイトのみを与えます。効果が出て緑色になってくれればいいですが、改善されない場合は、土がアルカリ性になっていることが考えられます。
肥料の三大要素と言えば、窒素、燐酸、カリであることは、皆さん、ご存知のことと思います。「微量要素」と呼ばれているものの中に、鉄は含まれています。他にマンガン、アルミ、亜鉛、コバルトなどありますが、これらに共通している点に、お気づきでしょうか?
これらは全てメタル(金属)です。金属が溶けるのは酸性です。アルカリ性には溶けません。だからアイアンキーレイトがプラントに吸収されないので症状が改善できないわけです。このような時は、サルファーを播いてアルカリ性を中和することにより、アイアンキーレイトが効果を発揮できるようになり、症状が改善します。使用する量は説明書を読んで決めましょう。
インディアンサマー、サンタナウインドと年中行事が続きますが、風で折れそうな木は、前もって剪定を済ませておくことを強くお勧めします。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟・購買部会長の新垣安徳さん。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

