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コラム

現代社会ド突き通信
vol.2 真実を告げることの難しさ(2)

2012-08-02

 昨年の福島原発事故の直後一週間目に共同通信からエッセイを頼まれたので、被災を受けた方たちは大変で怒りを表すエネルギーも残っていないと思うので、私が替って、その怒りを書くと書いた。こんな時だから、皆知っておくべきだと思って、「一九九〇年、ある雑誌(朝日ジャーナルの名はつかわず)の編集長が私の原発批判のエッセイを掲載できない理由として、『新聞社協会と政府は原発批判はしないという約束があるのです』と言った」と共同通信のエッセイに書いたら、福島原発事故の一週間後なのに削除された。
 小説さえも、女性の権利を主張しすぎだ(アメリカに永年住んでいると日常生活で当たり前のことなのでそんなことを意識さえしていなかった)から本にしないと言われたり、ある文学雑誌の編集者は日本のことを書いている部分をカットすれば載せますと言った。
 こちらから見た日本の社会を書くことは大切なことなので私は断った(結局「世界」に連載となった)が、それを、こちらに来ている特派員に話すと、「米谷さん小説までセンサーされているんですか?」と、笑っていた。笑い事ではないよ。
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 以前、NHKのラジオ「私の本棚」でよくインタビューを受けていたのだが、そのデイレクターの上司が私を今後インタビューしないように、私がいつも人種の偏見の話をするからだと言ったと私と私の編集者を前に坐らせて告げたときは、唖然とした。
 二千年になると、「世界」と「赤旗」を除いてはどこも書いてくれと言ってこなくなった。
 東北大震災が起こって朝日が「人生の贈り物」という私のインタービュー記事を十月だったかに、五日続けて載せたが、十年ぶりで驚きの一言につきる。
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 私と未だに脈のある唯一の新聞「赤旗」が「オキュパイ・ウオールストリート」の原因などを説明するエッセイを三枚半書いてほしいと去年十月に言ってきた。
 あれだけ大きな動きの原因を三枚半では説明できないから、日本に住んでいる日本人に分かるように私の心ゆくまで説明させてほしい。原稿料は三枚半で結構と一〇枚書いて送ったのだった。
 すると編集者が、 「こちらで知らないことは全部カットさせていただきました」と、言ったのに私の耳を疑った。
 メディアとは人の知らないことを知らせるのが責務ですよね。人は知る権利がありますよね。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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米谷ふみ子




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