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コラム

苦楽歳時記
vol.4 罪

2012-08-02

 夫の定年退職後、離婚する夫婦が急増している。仕事以外、何に対しても興味を抱かなかった夫は、離婚してから益々時間を持て余すことになる。一人身となった熟年の男は、後に物価の安い東南アジアへ移住した。

退職金で高級コンドミニアムを購入すると、メイドまで雇用して、海外で悠々自適の年金生活を送ることになった。

それでもまだ経済的に余裕がある。熟年の日本人男性の真の目的は、現地の若い女性を侍らせて、何とハーレムを築くことであった。団塊の世代が定年退職を迎えたころ、巷の声によると海外にハーレムを築くための斡旋業者が、手ぐすねをひいて待機していたという。
   
高度経済成長の真只中にあった頃、日本人はエコノミック・アニマルであると陰口を叩かれた。今度はセックス・アニマルとでも揶揄されるのだろうか。まったく、何という体たらくに陥ってしまったことか、恥ずかしい限りだ。
   
「旅の恥はかき捨て」というのは、旅先で、すこしくらいの恥は、お互いに気にかけないことをいう。ところが海外へ出てしまうと、周囲に気遣うことを全く感じなくなってしまうのか、顰蹙(ひんしゅく)を買うようなことでも平気でやってのける。

不品行が明るみに出てしまった場合に、本人も世論も「恥」として処理しているようでは、恥のかき捨ての繰り返しだ。日本の国は「恥の文化」である。と語ったのはベネディクトだが、あまりにも「罪」の意識が稀薄である。
   
ひところインターネットに目を向けると、児童ポルノの画像が氾濫していた時代があった。そのマーケット・シェアの七割が、日本から発信されているというから、今や日本は児童ポルノ大国に成り下がってしまった。

アジア諸国では、日本人旅行者による児童買春が横行している。政府は人権侵害など、厳しい国際批判に対処するために、児童買春禁止法を一九九九年になって、ようやく可決した。お上の遅鈍な対応ぶりには、羞恥の念が微塵も無い。

恥はかき捨てることは出来るが、罪は心の底から悔い改めなければ、許されたものではない。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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