Alice in WINEderland
Vol. 10 Eagle Vines
2012-06-08
ワイン業界に入り、最初に頂いたプロジェクトが、Eagle Vines Vineyards & Golf Course(Eagle Vines)の2011年初リリース・ワインの公式コメントの作成でした。それからというもの、担当させて頂いた08カベルネ・ソービニョンと09シャルドネは、私としては、思い入れの深い特別なワインに。
Eagle Vines はナパ・カルネロスに位置する、日本人が経営するゴルフ場で、隣接する葡萄畑で作られる優良な葡萄を使用し、現在は2種類のワインを作っている。3、4番ホール近くにシャルドネ、17番ホール近くにカベルネ・ソーヴィニョンの葡萄畑があり、大きくミスショットをするとボールが葡萄畑に入ってしまうというユニークな体験も好評のようだ。
葡萄畑のあるカルネロスは、サン・パブロ湾からの 冷たい海風と霧、そして北部のマヤカマス山脈により、カリフォルニアの中でも珍しい冷涼な地域とされている。ここで栽培される葡萄は、他の温かい地域に比べゆっくりと時間をかけ熟すことができるため、エレガントな酸のある、バランスの良いワインに仕上がるという定評があり、Eagle Vinesのワインにもその特徴が良く表れている。ワイン醸造家は、専門誌で高評価を受けるワインの生産者として知られるLaird Family EstateのKen Lairdとその娘のRebecca。彼らが手がけるワインは特徴的で、Eagle Vinesのシャルドネには、ワインに深みと旨みを与える「シュール・リー」プロセスを施し、柔らかくシルキーな口当たり、また、オーク香を控えた洗練されたスタイルに仕上げている。一方、カベルネ・ソーヴィニョンは、オールド・フレンチオークの樽で通常より長い時間(22~24ヶ月)寝かせることで、樽からくるバニラ香と甘さのヒントが感じられ、奥行きのあるエレガントさが特徴的。
リリースから口コミで評判が高まり、また、最近は東京の一流ホテルのワインリストにもトップクラスの値段で載るなど、人気が加速している。シャルドネ($29)、カベルネ・ソーヴィニョン($35)は、現地で、または直接お問い合わせすることで購入可能。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

