Alice in WINEderland
Vol. 8 CULT Wine
2012-06-08
コレクターの間でよく耳にする「カルトワイン」。一般的に、カルトワインとは、ワイン著名人から高評価を受けたワインで、その極めて少ない生産量により、非常に高い値段で取引されるものを指す。
米国ではCULT Wine=California Ultra Luxury Table Wineと説明され、長期熟成型の赤ワインである場合が多い。代表的なものにはHarlan、Scarecrow、Screaming Eagle、Sin Qua Nonが挙げられる。どのワインがカルトワインに属するかについては、評論家や関連サイトにより異なるものの、上記にAraujo、Caymus、Colgin 、Dominus、Hundred Acre、Opus One などが続くとされている。
その中から、「カルト中のカルト」と呼ばれるScreaming EagleとHarlanをご紹介。Screaming Eagleはカベルネソーヴィニョン主体のワインで、複雑なアロマとシルクのような舌触りが特徴。畑はナパ・オークビルに位置し、かつてワイン界のカリスマHeidi Barrettが醸造を担当していたことでも知られている。1992年の初リリースより毎年価格が高騰し、最新ヴィンテージの取引価格の平均は1本当たり$1,500 -$2,000。日本のコレクターの間では30万円前後とのこと。ワイナリーからワインを直接購入するには、正規メーリングリストへの参加が条件だが、リスト入りは現在数年待ちと言われている。
Harlanは、同じくカベルネソーヴィニョン主体のワインで、層を成す繊細なアロマと美しく長い余韻が特徴。William Harlanが1984年にナパ・オークビルに設立したワイナリーで、当初よりフランスの格付け第一級に匹敵するワイン作りに取り組んできた。世界で最も影響力があるワイン評論家Robert Parkerが4ヴィンテージに満点を付けたことからも、その品質はお墨付きである。取引価格は$500-$2,000とヴィンテージにより差があるが、過去にナパで行われたオークションでマグナムボトル10本セットが$700,000で落札されたことは業界でも有名である。
このようなワインを飲んでみたいが購入は…という場合は、コレクターの試飲会がお勧め。現在所属のワインスクールLearnAboutWineでも数種類のカルトワインを少量ずつ試飲できるイベントを不定期で開催している。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

