NikkanSAN_TopBanner_2023-05-07

ロサンゼルスの求人、クラシファイド、地元情報など

日刊サンはロサンゼルスの日本語新聞です。 記事は毎日更新、求人、クラシファイドは毎週木曜5時更新。

コラム

龍馬ゆかりの人々
第58回 お龍と君枝

2012-03-27

更新日: 2012/03/27 | コラム名:龍馬ゆかりの人々

 坂本龍馬を取り巻く多くの人物は、新しい時代の激流の中で生きながらえて明治の歴史の一頁を飾った人もあれば、そうっと消えて行った人もある。そうした人たちの中には、良きことをした人ばかりではなく悪名を残して逝った人もいる。時は確かに全てを浄化していくが、後世の人々は何が良かったか、何が悪かったか、それぞれの受け止めに委ねるしかない。
 さて、龍馬亡き後、龍馬の妻、お龍さんの生涯はどんなものだったか。憶測と思いやりの交錯する中を知りたいと思う人は、私ばかりではないであろう。
 お龍は、千屋(ちや)寅之助に引き取られた。寅之助は高知県安芸郡和食村の庄屋、千屋民五郎の三男として生まれた。千屋家に引きとられたお龍は妹の君枝としばらく高知に留まった。明治元年から僅か一年余の滞在期間であった。それからいずこに行ったのか、その足取りははっきり分からない。
 龍馬が生前「お龍さんのことを頼む」と手紙を書いた長州藩の三吉慎三の所へ頼っていった気配もない。しっかり者のお龍はどこへ流れていったのか。終焉は横須賀の地である。
 お龍の妹、 君枝は高知の寅之助に妻として迎えられた。現在、 芸西村の琴ヶ浜にお龍と君江姉妹が空に向って手を挙げている銅像がある。龍馬と強く結ばれた姉妹が龍馬に届くような手の先を空の一点に向けている。  
 妹、君枝と寅之助の子孫がここロサンゼルスに在住している。世の中とは何と不思議な巡り合わせであろうか。その人の名は、ロビンソンまりさんという。高知出身のお母さんも健在で、世の中は狭いものである。

20120327-web_oryo_flat.jpg

桂浜の龍馬に向かって手を振るお龍と君枝姉妹の銅像=高知県芸西村琴ヶ浜


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
Facebook   Twieet

飯沼信子

著述家。静岡県沼津市生まれ。歴史の中に埋もれた、海外で活躍した日本人、
その妻らを取り上げ、「野口英世の妻」「高峰譲吉とその妻」等の本を著す。
2006年、その功により、日本政府より旭日単光章を受章。日本ペンクラブ会
員、日本エッセイストクラブ会員。ウエストヒルズ在住。




[ 人気の記事 ]

第230回 碧い目が見た雅子妃の嘘と真

第249回 尻軽女はどこの国に多いか

特別インタビュー アシュラムセンター主幹牧師・榎本恵氏 後編

NITTO TIRE 水谷友重社長 ロングインタビュー① アメリカについてよく知ることが大切

第265回 天才と秀才、凡才の違い

第208回 日本と北部中国に多い下戸

第227回 グレンデールに抗議しよう

特別インタビュー アシュラムセンター主幹牧師・榎本恵氏 前編

第173回 あなたの顔の好みは?

NITTO TIRE 水谷友重社長 ロングインタビュー③ アメリカについてよく知ることが大切



最新のクラシファイド 定期購読
JFC International Inc Cosmos Grace 新撰組6月B Parexel pspinc ロサンゼルスのWEB制作(デザイン/開発/SEO)はSOTO-MEDIA 撃退コロナ音頭 サボテンブラザーズ 





ページトップへ