後藤英彦のぶっちゃけ放題!
再156回 才能をつぶすペーパーテスト
2012-02-21
人より優れていて好きな分野、それを才能と呼んでいます。賢い親や注意深い教師なら、才能を見つけ助言、激励してくれるでしょう。
賢い親や注意深い教師に恵まれなくても血縁、友人がいます。自分で才能に気付くこともあるでしょう。
大事なことは、何をしたいか、何になりたいか。目的意識を磨くこと。並みの頑張りでなく、常に努力の不足を自覚していること。
英国史上唯一の女性首相として活躍したサッチャーさんに次の言葉があります。
「成功とは何か。それは自分がやっていることに才能があること。まだ十分でないことをわかっていること。
確かな目的意識を持っていなくてはいけないということを知っていること。そして努力。これらをすべて合わせたものだと思う」。
サッチャーさんは二十世紀後半の英国をリード、意志力ゆえに「鉄の女」と称されました。
成功へのこの導きを知ったのはつい最近のこと。さすがに成功した人の言葉は違います。
体育科コースを設置している高校が日本に百九十二校。このうち二十九校で入試での野球実技試験を実施していたことがわかりました。
日本高校野球連盟(高野連)はただちに「学習指導要領にない野球で試験を行うのは公正性に欠ける」との見解を表明。來年度以降、入試から野球の実技試験をはずすよう関係校に要請しました。
各校とも、実技、プレーの上手下手を見たいだけなのにペーパーテストの強要、何だか変ではありませんか。
公平性のはき違え。ワンパターンの選抜をしていたら、折角の才能をつぶすことになりませんか。
野球の本質は実技、ペーパーに答えを書くことではありません。ペーパーテストで野球の才能を測れるわけがない・・。
歌人の与謝野晶子は「人は何事にせよ自己に適した一能一芸に深く達していればよい」と語っています。
ペーパー重視の高野連は実技という一能一芸をつぶそうとしています。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

