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コラム

龍馬ゆかりの人々
第42回 若き志士たち

2011-02-15

 「桂浜に龍馬、中岡慎太郎、武市半平太の像」と大きく目に入った。以下、読売新聞を抜推する。

 「3月5日から6月末まで3人の像が展示される。龍馬中心に左に慎太郎、右に半平太と並び(志国高知 龍馬ふるさと博)として勇壮な姿をみせる。高知県内の各地を巡回する」

 NHKの『龍馬伝』も終ったが、脇役に終始していた慎太郎と半平太にもっと陽を当てよとの巷の声に応えるかの空気が、3人の銅像になったのかと自己判断をした。しかし、後世の大方の人も同感であろうか、この3者の像が150年後に実現できたと私なりの感慨である。

 親友同志の桂浜の龍馬像と室戸岬の慎太郎象について、2人は死して後にも一心胴体で、東と西の岬から互いの目線が土佐湾で合致するのだと言い伝えられてきた。後世の人達の心情としては無理もない事であるが、研究家が調べたところ、2人の目は土佐湾の上では合致しないという。龍馬は太平洋の彼方を見つめ、その目線はアメリカへ注がれている。慎太郎の目は、何処に…。太平洋戦争中、日本国民は、鉄、銅、金などを強制的に日本政府に供出させられた。しかし、この2人の銅像は、海軍・陸軍の祖として溶鉱炉の中に入れられずに生き延びた。その雄姿は、今も土佐湾を越えてはるか太平洋に注がれている。

 今年の全国龍馬祭には、ロサンゼルス龍馬会と愛好者との合流をはかり、その準備に入った。長崎の龍馬と海援隊の足跡を現地に訪ねる。先年、私は長崎を訪ねたが、「長崎は今日も雨だった」のごとく寒くて、坂道を歩いて何となしに消えさった海援隊の有志の霊に頭をさげた。お土産は龍馬も食べた“カステーラ”を買った。

 3人の象の除幕式には龍馬の大好物であるシシャモ鍋をつくり、祝賀祭をするという。龍馬を支えた大親友に心ばかりの華を捧げたい。その陰にあった血筋の人々の流れもだどってみたい。そこには「陰と陽」の世界を見るであろう。これもまた歴史の1ページでもある。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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飯沼信子

著述家。静岡県沼津市生まれ。歴史の中に埋もれた、海外で活躍した日本人、
その妻らを取り上げ、「野口英世の妻」「高峰譲吉とその妻」等の本を著す。
2006年、その功により、日本政府より旭日単光章を受章。日本ペンクラブ会
員、日本エッセイストクラブ会員。ウエストヒルズ在住。




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