後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第97回 歴史的な軍拡に踏み切る日本
2010-12-03
筋金入りの中国人のしたたかさ、対する日本人の万年平和ボケ。
日本の巡視船目がけて衝突する中国漁船の動画を見せられた日本人に、心情変化が起きています。
中国文化の恩恵に浴した史実を思い、友人の嫌がることはしないなどと礼節をつくしてきたボケ外交の数々。対する相手は爪を隠した猛禽類、まるで鳩を狙うワシでした。
冷えた日米関係を尻目に、尖閣諸島をワシづかみにしようと企みました。「いやぁ、驚いたの何の・・」。思わず漏らしたこの一言が菅政権の本質でした。

香港三紙は、「尖閣諸島をめぐる領有権争いに危機感を強める日本が来月、防衛力の大幅な増強を打ち出す」と伝えています。
軍拡基調の『防衛大綱』には、尖閣諸島の南西、与那国島に自衛隊を配置、周辺の島々に軍事施設を建設する計画が盛り込まれるとしています。
日本の武器輸出と外国との武器の共同開発を禁止している「武器輸出3原則」を改め、日本の軍事企業が米国、豪州、インド、韓国の軍需企業との武器の共同開発に参加できる道を開きます。
海上自衛隊の新鋭潜水艦を、現在の十六隻から二十二隻に増やします。米国、豪州、インド、韓国など周辺国と協力して中国海軍の膨張を抑えることが各国の関心事です。
今後、那覇基地の新鋭戦闘機を、現在の二十機から三十機に増やす計画も盛り込まれます。
漁船(中国工作員?)を使った中国の挑発で、日本人の目が幾分、覚めました。挑発動画のショックで、童話世界の平和ボケが治療可能になりました。「日本の防衛戦略の歴史的な転換点になる」、とワシントンの事情通でさえ驚いています。
ストックホルム国際平和研究所によると、昨年の世界の軍事支出は前年比約六%増の一兆五千三百十億㌦(約百四十兆円)。
六千六百十億㌦の米国が一位で、一千億㌦の中国が二位、五百十八億㌦の日本は前年より順位を一つ上げて六位。
平和ボケも頂けないが、軍拡レースにドルの洪水、国際軍事グルに煽られた不安の結果でしょうか。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

