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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第95回 プーチンとメドベージェフ

2010-11-16

北方領土にメドベージェフが強行上陸した舞台裏には、首相プーチンとの二年先の大統領選に向けた、競争意識があったのではないでしょうか。
 
大統領戦に向けて意欲を燃やす両人は、メデイアを使って相手の政治姿勢を攻撃しています。ロシアの双頭体制の蜜月は終わり、対決の色合いを強めています。

国家主導を徹底し国営企業を擁護するプーチンに対し、国営特権をなくし、近代化を図ろうというのがメドベージェフの立場です。

 検事総長局に命じて国営企業の調査に乗り出そうとする大統領に対し、プーチン側は「必要ない」と反対しています。
 プーチンはKGB(秘密警察)時代の人脈を、内務省、治安、国防省庁、裁判所、国営企業に配置、メドベージェフの勝手を許さない体制を固めています。メドベージェフはシロビキの利権を絶たない限り、ロシアの近代化は進まないと考えています。
 シロビキとは治安、国防省庁その他の国家機構に張り付いたKGB出身の職員のことです。メドベージェフがシロビキの利権をうばい、警察改革を進めようとするので、プーチン側の捜査委員会と大統領側の検事総長局の対立が表面化しています。

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  夏期休暇のプーチンはカナリアイエローのスポーツカーでシベリア平原二千㌔を走破、森林火災のさいは自らヘリを操縦して現場に駆けつけるなど、自分の〟マッチョ″を強調しています。いずれも一二年の大統領選を意識した国民向けのアピールです。
 大統領側近によると、ヘリを操縦して森林火災を視察したプーチン流のパフォーマンスに、メドベージェフは激怒したそうです。
 大統領はこれに優る失地回復の機会を狙っていました。南方、尖閣諸島の漁船衝突事件で日中間が揺れるこの時期、ロシア大統領初の北方領土に上陸、世界の注目を浴びようと考えました。
 フォーブス誌の「世界で最も影響力のある人物」で、プーチン四位に対しメドベージェフは十二位と劣勢でした。彼の焦りが国後島の土を踏ませたのでしょう。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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