編集部
東洋医学と西洋医学の話
2010-02-26
漢方薬、鍼、指圧、足つぼ療法等がいわゆる東洋医学として知られております。しかし、言うまでもなく、東洋医学のカバーする分野は上記の例をはるかに超え、歴史も何千年と続いており、その知識と理解の深さには現代人を驚かすものが沢山あります。よく東洋医学は非科学的であると批判されることもありますが、私個人的には決してそのようには見えません。 そこには、長年の観察、経験による豊富な学問があり、真剣に取り組んできた、医学者たちの足跡を見ることができます。
東洋医学に比べ、西洋医学は新しいという意見もありますね。ですけれども、西洋医学にもとても長い歴史があり、東洋医学同様、真剣に医療に取り組んできた研究者たちの記録があり、その中に努力して学問を築いてきた人々の姿を垣間見ることができます。
今日なぜこのような題目のコラムを書かせていただいているかと言いますと、最近、あまりにも多くの方々が東洋医学や西洋医学が何であるのかもよく分からないのに、無理にそれらの間に溝を作っている人々の意見を聞くためです。それは患者さんや一般の方々からだけでなく、医療に関わる人々からも、偏見をむき出しにして語られるのを耳にするからです。そしてそのような意見は医療の妨げになると私は確信してます。
病気の種類が様々であるように、診断や治療の方法も様々であり、常に進化していますし、それは常に過去の経験や知識が土台として進化するべきです。本当の意味で患者さんに治療を施そうとすれば、東洋医学も西洋医学も、それぞれが尊重され、最大限に用いられるはずです。
私自身、いわゆる「西洋医学」を学んだ者ですが、鍼などの治療効果と可能性には魅了され、それを知れば知るほど驚かされます。わたしはそれらを「東洋医学」という傘下に一応おさめますが、もっと大きな「医学」という傘の下に、「西洋医学」同様のレベルに置いて、自分の患者さんがその治療の対象となるべき疾患を持っていると判断した時は躊躇せずそれらをお勧めしております。
東洋であれ、西洋であれ患者さんによく注意していただきたいのは、お医者さまを選ぶのに少なくとも自分の家を選ぶ時ぐらいの努力をされることです。特に東洋医学、代替治療関しては、アメリカ政府の規制が少ないので、その分、選択にはより多く注意をはらってください。やはり、他の患者さん、医療に関わっている人々の意見が大きいと思います。自分の周りを見回すと結構医療関係の人間が知人、家族、親戚にいるものです。そうでなくとも、いまでは医療関係者情報を提供するサービスもあります。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

