Nikkan SAN

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特集記事



JANMへ行こう!! vol.17 - 「自由って、どういうこと?」自由を考える
今月のガイド
ビル・シシマ さん

1930年、ロサンゼルス市オルベラ通りに生まれた日系二世。ワイオミング州ハートマウンテンの収容所に送られ、そこでボーイスカウトの活動を始め、40年間活動を続けた。高野山のスカウトマスターを務める。兵役で朝鮮戦争へ行く。職業は教師。JANMのボランティア歴は20年。



—ハートマウンテンの収容所の中で、シシマさんや他の子供達はどのように過ごしましたか。

「学校に通ったり、バスケットボールや野球の試合をしたりした。収容所にはボーイスカウトやカブスカウト、子供達のためのグループが約20もあったんだ。他の収容所に比べて一番多かったよ。子供達が悪さをしないようにって、たくさんのアクティビティがあって忙しかった。
雪が降ると有刺鉄線を越えて、収容所の外の丘に遊びに行ったり、夏はイエローストーン国立公園にキャンプに行ったよ。あと早食いコンテストでパイを28秒で食べて優勝した(笑)」


—キャンプ!?収容所だけにずっといたわけではなかったんですね。

「収容1年後には、ガードはメインゲードだけにいた。彼らのマシンガンは内側に向けられた。ガードタワーは有刺鉄線の外にあったよ。僕たちを守るというのならフェンスの中にあるべきだ」

―無邪気に遊びながら、不条理な体験もあったと思います。

「3000人くらいの子供がいたし、収容所のいろんな所で遊んだよ。これは楽しかった部分。だけどホットドックやハンバーガーを自分がほしい時に食べることはできなかった。映画に行きたい時、行く選択肢がなかった。アメリカ国民なのに僕は自由を失ったんだ。だから、あんなこと二度と誰にも起きてほしくない。僕が敵に、日本人に外見が似ているというだけで、アメリカ政府は僕を収容所に入れた。これはね、フェアーじゃないよ。子供なのに奪われた。けれど『仕方がない』って言いながら収容所の中で、ベストを尽くすしかなかったんだ」

―楽しそうに聞こえるお話も、収容所という自由のない状況での出来事ですね。

「収容所でよかった体験は、いろんな人に出会えたこと。僕がJANMでボランティアを始めた20年前、収容所での友人や知り合いに再会した。彼らもJANMでボランティアをしたんだ。収容所を出てから音信不通だったのにね。生涯の友人だよ」



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もっと知ってJapanese American!

「俳優 クリス・タシマ インタビュー」
杉原千畝の功績を描いた短編映画「ビザと美徳」で監督・主演し、1998年、アカデミー賞短編映画賞を受賞したクリス・タシマさんにインタビュー。



Q 生い立ちについて
私は日系三世です。東海岸で生まれ、カリフォルニア州育ちです。祖父母は福岡と和歌山出身です。私の両親は二世で、若い頃は強制収容所で過ごしました。
私は子供の頃は少しだけ日本文化の影響を受けて育ったと思います。父が侍の刀を持っていたり、和食を食べたり、10代の頃に家族と一緒に日本へ行ったこともあります。けれど大人になるにつれて、日本文化との繋がりをより感じ、感謝するようになりました。私の映画プロジェクトにも何かしら影響を与えていると思います。

リトル東京にある杉原千畝像
Q 映画「ビザと美徳」について
1985年に劇団「イーストウエストプレーヤーズ」に入ってから、演技を通じて日系、アジア系アメリカ人の歴史を伝えることを学びました。そして「ビザと美徳」の脚本を書いたティム・トヤマに出会いました。

最初は演劇でしたが、役者経験のあった私は、自ら監督・主演して短編映画を作ることにしました。できた作品の結果は皆さんもご存知の通りです。この映画からも言えることは、人は人種という側面だけでなく、両面を見なければならないということです。たとえば杉原千畝は戦争当時、日本人を代表する人徳ある人物の一人でした。

しかしアメリカ人にとって日本人は、真珠湾を奇襲攻撃した敵でした。さらに、市民であるはずの日系アメリカ人も敵意の対象となってしまいました。こうした問題は、現在でも議論の対象となっています。人は他人種、他文化に対して間違った考えや偏見を持つからです。

Q 日系フィルムメーカーとしての役割
日系アメリカ人の歴史に関連した作品づくりが多いですね。日系人の強制収容所体験については、まだその多くが語られていません。私ができるたった一つのことは、映画の持つ力によって人々に元気を与えることです。映画の中で、それまで語られなかった珍しい物語を分ち合うことで人は心を開き、知らない文化を垣間見ることができます。これが、私が日系人に関する作品を作る理由です。

映画やメディアの影響は大きく、世の中は白人が良しとされてきました。スポーツも音楽もコミックもそうです。劇団にいた時も感じていましたが、今でも変わらずいわゆる“白人中心主義”です。
しかし世界は変化しています。

5年前まで黒人の大統領が誕生するなんて信じられませんでしたが、今の子供達にとって、白人から黒人の大統領に変わることは驚くことではなくなりました。物事はバランスが大切ですが、未だに多くのことがなされていません。ですから私はそれをなすための作品作りを続けたいと思っています。

Q 日本人と日系人について
日本人は、アメリカ生活の中で、自分が“何者で何になりたいのか?”を学ぶべきだと思います。アメリカは、「どんな人になりたいのか」を学ぶ練習の場です。最も大切なのは頭で考えることではなく心で感じること。

私がヨーロッパに行き、ドイツ語もフランス語も話せず、英語も通じない中で、相手と握手することより、日本式にお辞儀をすることがとても意味をなすことがあります。私は日系アメリカ人で、日本人ではありませんが、お辞儀の意味がとても深いことを知っています。

ですから、頭で考え、耳で聞き理解することよりも、心でお互いを理解することのできる、深い文化がそこにあることを分かってください。日本文化の持つ美しさによって、多くのコミュニケーションの仕方があるのです。「我慢」と「遠慮」という言葉がありますが、遠慮しすぎはよくないです。アメリカでは、まずお互いのことが分かりません。お互いが平等の立場です。遠慮しすぎはかえって自分の本当の価値や能力を分からなくします。それはもったいないです。

Q 日本人と日系人について
日本人と日系人の間の隔たりを感じます。ハリウッドで成功するためにやって来た日本人俳優達と会いましたが、彼らは日系史を知りません。アメリカ人の多くも知らないので仕方がないかもしれません。けれど少しでも日系史を知ると、とても興味を持つようです。

彼らの今の経験が日系一世達の経験と似ているからでしょう。ですから私たちは多くのことを分かち合えるのです。私が日本語を話せたらいいのですが、舞台演劇や、映画制作でもっと日本人と協力できたらと思っています。

クリス・タシマ マサチューセッツ州生まれ。1998年、主演、監督を務めた映画「ビザと美徳」で短編実写映画部門オスカー受賞。以後、俳優、監督として活躍中。アカデミー協会委員、米国監督協会委員。最新作は、「Lil Tokyo Reporter」日系一世の人権を守った藤井整役を演じる。


写真・文 JUNZO ARAI, TOMOMI KANEMARU, 監修 MITSUE WATANABE(JANM)


JANMに行くと日刊サン読者にプレゼント!

入館料お支払いの際に「日刊サン掲載の『JANMへ行こう!!』を読んだ」と言うと、『ワシントンへの道 ~米国日系社会の先駆者 ダニエル・イノウエ議員の軌跡 ~』と『知られざる政治家 ラルフ・カーとニッポン人』の2つの日系移民史ドキュメンタリーが入ったDVDを特別プレゼント。昨年末に亡くなった大統領継承順位第3位のイノウエ議員のインタビュー入り。非売品なので貴重なDVD!
*入館料をお支払いの上、入館された方のみ対象。




JANM・ジャニム(全米日系人博物館)
Japanese American National Museum
日系アメリカ人の歴史と体験を伝えるアメリカ初の博物館。アメリカの人種と文化の多様性に対する理解と感謝の気持ちを高めることが目的。ボランティア・ガイドに支えられ、訪問者は展示にはない興味深い話を聞くことができる。

100 N. Central Ave. Los Angeles, CA
・213-625-0414
http://www.janm.org
開館:火・水/金・土・日 11:00 ~17:00
木 12:00 ~20:00
休み:月曜
料金(企画展も含む):一般9ドル、シニア&学生&子供5ドル、メンバー無料
*木曜17:00 ~20:00、毎月第3木曜は無料
交通:メトロ電車:ゴールドライン「Little Tokyo / Art District」下車。徒歩1分
駐車場:あり。博物館前、他多数(有料)

★「ボランティア・ガイド」に関心のある方は、下記まで。
213-830-5645

2013/10/19 掲載

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