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特集記事



JANMへ行こう!! vol.14 - 「次世代に伝えるべき大切なもの」を聞く
今月のガイド
ヤエ・アイハラ さん

ワシントン州タコマ生。真珠湾攻撃の直後にスパイ容疑をかけられた父親が逮捕され、「戦争捕虜」となる。アイダホ州ミネドカおよびテキサス州クリスタル・シティーの強制収容所を経験。現在は子供が4人、孫が11人。日系移民の歴史は次の世代に伝えるべき事実として、JANMにて日本語ガイドとして活躍している。



 —アイハラさんがJANMでボランティアを始めたきっかけは息子さんだったそうですね。

「私は、強制収容所の話はそれまで誰にもすることがなかったわ。非常に恥ずかしい過去だというという気持ちがあって、人様に話すようなことではないと思っていたのよ。
ところが、ある日、息子がUCLAに通い始めて、社会学の授業で日系移民史が取り上げられたの。家に帰ってきた息子がいろいろな質問をしてきて、はっとしたの。私が実際に経験したストーリーは、次の世代に伝えるべき大切なものなのだと思うようになったわ。それがきっかけね」


—真珠湾が日本軍によって攻撃されてから、ご家族はバラバラになったそうですね。

「 「真珠湾攻撃の直後、父はFBIに逮捕されたの。私の家族は、スーパーを経営しているごく普通の家庭だった。でも父は当時、柔道の先生や日本商工会議所の役員をしていたから、スパイの疑いがあるとされたのよ。父は法務省が管理するモンタナの収容所に送られたわ。
私たちも、その後すぐに、一時的な収容所であるアセンブリー・センターに送られた。ここでは3ヶ月間を過ごしたけれど、西海岸の競馬場を改築した非常に雑な造りだった。木材も乾かさないで建築に使ったから、木材の乾燥とともに、壁のあちこちに大きな隙間ができていたわ。JANMの2階に展示しているバラック=写真右=を見たらどういう状況だったかよく理解できると思うわ。
特に辛かったのはトイレの設備ね。部屋には、6人まで入ることができたのだけれど、壁もカーテンも何もなくて非常に屈辱的だった。ご飯もまともなものがなくて、美味しくなかった。
収容所の中に「キャンティーン」というカフェのようなものができた時、毎日そこに通っては、1クオート(1リットル強)のアイスクリームを友人と半分こして、お腹を満たしていたの。激太りしてしまってびっくりしたわよ。戦争が始まると砂糖とバターは高級品となったから、そんな贅沢もできなくなったけどね。」


—戦争を境に、父親が逮捕され、収容所では、甘い物で精神的苦痛を紛らわす…。当時の“異常な”状況がうかがえます。


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もっと知ってJapanese American!
「日本人×日系人 フリートーク!①」


「日本人と日系人は、普段あまりグループで話す機会がないかも…」という理由から、今回は、日本からの留学生のシンとキキの他に、若い日系アメリカ人のトミーとエリカを招いてフリートークを行った。

テーマは「日本と日系人ってどうよ?」

(写真左より)
杉本健太(トミー) ロサンゼルス市出身19歳、新二世、ミュージックビデオ監督/ラジオDJ。ロヨラマリマウント大学でフィルムプロダクションの勉強中。将来の夢は映画監督。
エリカ・マリコ・オルセン ローンデール市出身、HAPA新二世、2011年度二世ウィーククイーン。シンガー/パフォーミングアーツインストラクター。Tokyo Status のメンバーなど日本ポップカルチャー分野で活躍中。
Kiki Sukezane 日本で演技を学び、昨年夏に渡米。ハリウッドで歌や演技を勉強中。来年は子供むけのドラマが2本決定。
清水紳一郎(シン)2006年、俳優を目指し渡米。多数のTV、インディーズ映画に出演。出演作品はカンヌ映画祭でも上映される。舞台でも活躍。


★ 日本語について ★

キキ「トミーとエリカはどうやって日本語勉強したの?」

エリカ「家では英語だったけど、母が日本語を教えてくれてたの。それと、日本語学校にも通ってた」

トミー「家では日本語を話してた。日本語学校に11年間も通ってたし、漫画をたくさん読んた。土曜に学校だったから、友達の誕生日パーティとか行けなかったけどね」


★J(ジャパニーズ)×JA(ジャパニーズアメリカン)★

シン「トミーは見た目は日本人だよね」

トミー「子供のときにちょっとした出来事があった。クラスに韓国系の子がいて、戦時中の日本が韓国に対してひどい仕打ちをした歴史を親から教えられたらしくて、それで急に『俺と戦え!』って言われた。でも、自分は『アメリカ人だし、そんなことわからないよ!』って答えたことがあった(笑)」

エリカ「私はハーフで、白人の父親、日本人の母親がいるけど、どちらかというと父の影響が強くて、子供の頃は、自分は白人ていう感覚だった。でも、幼稚園でみんなに『どこ国の人なの?』って聞かれたの。わかならいから『カリフォルニア人』って答えてた(笑)」

シン「二人はLAの日本人のことはどう思う?」

トミー「礼儀正しくて保守的かなと思う。日本は上下関係があって、敬語にも気をつけないといけないから緊張する。アメリカでは、40歳の人が90歳の人に『What’s up?』とか平気で言ったりするよね(笑)」

エリカ「日本人がLAに暮らすのは、とてもいい事だと思う。全然違うライフスタイルを経験する中で、もっと心をオープンにして、自信を持てるようになったらいい」


★リトル東京とポップカルチャー★

トミー「リトル東京って日本人にとってどんな印象?」

キキ「とにかく小さいっていう印象かな。ほかのチャイナタウン、コリアタウンに比べて」

シン「最近はコスプレしたアメリカ人が街中を歩いてる。ああいう日本のアニメ、漫画とかのポップカルチャーのことをどう思う?」

エリカ「日本のポップカルチャーの影響は大きいと思う。私は、今、Tokyo Statusっていうショーのメンバーで、皆、日本の航空会社のコスプレをして歌ったり、ファッションショーをしたりしてる」

シン&キキ「へー、面白そう!」

シン「アメリカには、アイドルグループってないのかな?」

トミー「AKB48みたいな?ああいうグループは、アメリカにはないよね。あれは不思議。第一メンバーが多すぎ」

エリカ「18歳以下の子をアイドル化するのは、アメリカ人はゾッとする感覚」

キキ「あれってかなり変態に見えるらしいね…」

エリカ「変態じゃないけど、超オタクのアメリカ人のことを、英語でWeeabooっていう」

キキ「日本って、そういうオタク文化が開けてるよね、すごい事だと思う」

トミー&エリカ「そう思う」



写真・文 ALICE HAMA, JUNZO ARAI,   構成 TOMOMI KANEMARU, 監修 MITSUE WATANABE(JANM)


JANMに行くと日刊サン読者にプレゼント!

入館料お支払いの際に「日刊サン掲載の『JANMへ行こう!!』を読んだ」と言うと、先着50名にNITTO TIRE特製バッグを、読者来館者に日系移民史ドキュメンタリー「知られざる政治家 ラルフ・カーとニッポン人」のDVDをプレゼント。
*入館料をお支払いの上、入館された方のみ対象。





JANM・ジャニム(全米日系人博物館)
Japanese American National Museum
日系アメリカ人の歴史と体験を伝えるアメリカ初の博物館。アメリカの人種と文化の多様性に対する理解と感謝の気持ちを高めることが目的。ボランティア・ガイドに支えられ、訪問者は展示にはない興味深い話を聞くことができる。

100 N. Central Ave. Los Angeles, CA
・213-625-0414
http://www.janm.org
開館:火・水/金・土・日 11:00 ~17:00
木 12:00 ~20:00
休み:月曜
料金(企画展も含む):一般9ドル、シニア&学生&子供5ドル、メンバー無料
*木曜17:00 ~20:00、毎月第3木曜は無料
交通:メトロ電車:ゴールドライン「Little Tokyo / Art District」下車。徒歩1分
駐車場:あり。博物館前、他多数(有料)

★「ボランティア・ガイド」に関心のある方は、下記まで。
213-830-5645

2013/09/07 掲載

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