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日刊サンはロサンゼルスの日本語新聞です。 記事は毎日更新、求人、クラシファイドは毎週木曜5時更新。

第8回 ポエム・タウン

<【川柳】テーマ「先生」「旅行」>


半田俊夫選   旅の宿地酒方言湯のけむり   石口 玲

日刊サン選   旅三昧はずの老後は孫の守   なぎさ

TJSラジオ選   世界旅途中でLA30年   鈴木清司

ゲスト選者 小茄子川智弘選   山頭火まねても旅にスマホ連れ   本 めぐみ

佳作   八十路坂片道キツプの旅近し   高峰みち子

佳作   夏帽子風にめくられ旅の顔   野島弘子

佳作   先生と呼ばれてドキリ初授業   ふじたしづえ

選者のことば

全体講評として、応募の皆さんは夫々の感性を駆使して句作りを楽しんでいるのが伺える。結果もさりながら風流とユーモアの心で句作りする過程での苦心と創作の楽しさが日々の生活に潤いと活力を生んでいる筈。これからも楽しく励んでください。

「旅の宿―」は、旅の味わい定番の要素を上手くきっちり五七五に組み込み、日本の旅の風情が良く出た。方言が聞こえる地方の温泉地の雰囲気と町に漂う湯けむりの臭いまでするようだ。

「八十路坂―」は、八十路を越えてやがていつか来る人生の終りも落ちついて自覚し見据える達観した目がある。 少々の名残惜しさも静かに抱えながら。

「夏帽子―」の句は、旅のある日、風がきて夏帽子がめくられたらそこに以前とは違う日に焼けた旅の健康な顔があった。今は旅なんだなという日常を離れた感慨がある。風の動きも感じられ夏独特の爽やかさもいい。

「先生と―」は、先生として初登場の時に内心自分は人に教える資格が満々だなどと自信たっぷりに思っている人は余りいないだろう。人を先生と呼んだことはあっても呼ばれたことは無いから、内心ついドキッとする初心(うぶ)さが微笑ましくその本音が可愛いい。(半田俊夫)

思い描いていたものというのはなかなか実現しないものですよね。こんなはずじゃなかったのに、いつの間にかこんなことに、ということはよくあることです。しかし現実も現実で考え方によっては愉快なものです。旅三昧も羨ましいものですが、お孫さんの子守りも心の底では楽しんでいるのではないでしょうか。(日刊サン)

LAに暮らす日本人だからこそ、この句に共感される方は多いはず。そして、この限られた文字の中に、これまでの人生と、これからの人生、夢のようなものまで見えてきます。スケールの大きい句だと思いました。(TJSラジオ)

山頭火という古の俳人とスマホという現代機器の組み合わせが面白かったです。自由気ままに旅をしようと思っても、結局は現代の機器に頼ってしまうというのは実に共感できます。せっかく風情を求めて旅をしているのに、旅先でも迷わないため、万一の時に連絡をとるため、あるいは現地の情報を集めるためなど、機器を手放せないのはなんとも物悲しいですね。種田山頭火といえば「分け入っても―」の句が浮かびますが、現代人にとってはただの青い山ではなく、○○山という具体的な名前で存在しなければ心許ないのではないでしょうか。(ゲスト選者・小茄子川智弘)

川柳 ゲスト選者

guest-haiku

小茄子川 智弘さんプロフィル

神奈川県出身。横浜市立大学国際総合科学部3年生。会計学、特に税務会計を専攻中。そのほか同大グランドホッケー部にて副将を務める。趣味は国内外、プロアマ問わずスポーツ観戦。2013年9月上旬から約3週間日刊サンでインターンを経験。



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