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第20回 ポエム・タウン

<成人の部 短歌 入賞作品>


岩見純子選   憂愁を大筆にこめ全身で書けば心のもやは晴れゆく   内 アリス

佳作   晴れ渡る軍人墓地のどこまでも夫のおもかげ花に映れる   芙佐子スティヴンソン

佳作   キモセラピ日々に抜けゆく黒髪を見て涙ぐむ友の肩抱く   麻生三晴

西岡徳江選   友逝けり今日の悲哀を雨雲の背に乗せて行く冬のまなざし  ワーレス信子

佳作   凍てつきし湖面を飾る雪の波仮眠の森の静かな息吹   たなかきんいち

佳作   英語にて「母逝きました」の報せあり我が子もこれを書くだろういつか  古田和子


日刊サン選努力賞


ドライヴに私の夢は彼方まで目覚めず回るハンドルうれし  岡本啓三郎

干からびたイクラ2粒出できたりコタツの中は秘密の迷宮  中原キャシー

働いて衣食住足り子等遊び戦争しないそれが良い国   キッツ幸子

悔いのなき人生なんかあるものか苦楽半々幸せの果て  好伴侶薫也

終戦後大和魂薄れしか嗚呼売らないで敬老ホーム  金川紀恵


選者のことば

―選者・岩見純子

短歌は一首(いっしゅ)、二首・・と数える。五句で形成されていて、一句(初句、5音)、二句(7音)、三句(5音)、四句(7音)、五句(結句、7音)まである。一句から三句までを上(かみ)の句、四句から五句までを下(しも)の句という。

「憂愁を―」 。うれいや悲しみを大筆に込めて、全身で書くことが出来る作者に感動した。書の道に精進されている方だろう。結句の「もやは晴れゆく」で、読者をほっとした気持にさせる。

「晴れ渡る―」 。下の句「夫のおもかげ花に映れる」 素晴しい描写であるとしかいいようがない。

「キモセラピ―」。 結句、「友の肩抱く」が作者の思いを全て語っている。

―選者・西岡徳江

短歌ができたら、表現の工夫をしてほしい。擬人、倒置、反復、体言止め、対句、比喩などを用いて、さらにすばらしい作品となる。また、漢字をひらがなで表現する効果もある。恐れずに冒険をしてみよう。

「友逝けり―」。結句を「冬のまなざし」と体言止めにして余情が出た。まなざしの言葉も心に響く。悲しみにおぼれないで、一行の詩として成功した。

「凍てつきし―」。観察が行き届いている。飾る、仮眠、息吹など表現に工夫が見られる。自然の静を詠んで、これからの動を感じさせる歌となった。

「英語にて―」。作者の人生や家族の歴史が凝縮している。二か国語で生活する親子に、いつかは訪れる時を、冷静に詠んで心打つ。「書くだろう」と「いつか」の間に一マス空けると余韻が出る。



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