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第20回 ポエム・タウン

<成人の部 入賞作品【川柳】テーマ「おしゃべり」「シューズ」「自由」>


半田俊夫選   しゃべる妻にリモコン向けて音絞る   永沢 卓

佳作    朝ぼらけもう一眠りしたいとこ   内 アリス

佳作   ワラジ脱ぐ実家もう無い里帰り   フミコロペス

佳作   飼い主の井戸端会議に犬あくび   石口 玲

日刊サン選   日米の土混じり合う古シューズ   浅子 恵

TJSラジオ選   気休めの一人おしゃべり猫ぞ知る   浅子 恵


日刊サン選努力賞


おしゃべり中極秘情報探り当て 田和紀陽子

玄関のセンター占める孫のくつ 柳谷益弘

おしゃべりが過ぎると出てくる勇み足 しその葉

口だけが達者で困る老いとなり 高峰みち子

おしゃべりは口にチャックをするぞよし 詩月直竹

おしゃべりに乗せられつかむ不用品 宇都湖畔


選者のことば

―選者・半田俊夫

投稿諸氏のとんち感覚、観察眼、情緒感、四苦八苦ぶりなどが伺える句の数々。年輪を漂わせ共感を呼ぶ句も多いですね。作句による脳の活性化に乗って、今後も楽しみながらのご精励を期待します。

「しゃべる―」。このリモコンは中々効果が出ませんな。「何してるの?」と見とがめられるのも怖い。しかし弱き者?の権力者?に対するせめてもの無言の密かな抵抗と心情、分かりますな。面白さこれぞ川柳。

「朝ぼらけ―」。真夜中ぐっすり睡眠中は何も覚えていませんが、この明け方に半ぼけ意識でもうひと眠りに戻るのが至福のひと時。その感じを上手く詠みましたね。

「ワラジ脱ぐ―」。長生きしていると多くの同胞が共有する境遇。切なさを胸に、でも里帰りしたいですよね。変わり行く街にも友はいるかも。変わらぬ山河もある。共感を誘うまとめが上手。

「飼い主の―」。のどかな風景が浮かぶようです。犬でも退屈するとあくびするのですね。井戸端会議の人間様たちとワンちゃんの対比の平和な風景を温かく活写。

―選者・日刊サン

今回の「おしゃべり」のテーマでは男女のおしゃべりの違いや井戸端会議の変化など、時代の移り変わりを感じさせるものが多くありました。興味深く読ませていただきました。

「日米の―」。ここロサンゼルスの地ならではの一句、同じだという人も多いのではないでしょうか。靴がなかなか捨てられないのは、思い出が詰まっているからですね…。

―選者・TJSラジオ

「気休めの―」。その光景が目に浮かびます。あの人に言えなかったあの言葉、あの時の気持ち。くだらないことも、人にあかせぬ秘密も全部、猫は聞いてくれているんですね。そんな猫の存在に感謝すると共に、ほっこりもし、またクールな一面も感じました。


< 川柳 青少年の部 入賞作品 >


半田俊夫選   クラスではしゃべる時には手をあげる
サウスハイスクール Hoku Sawakawa

佳作   とてもかわいいあなたは小さいでもささえ
サウスハイスクール Alyssa Gekko

佳作   内容はいつもつまらぬ大人達
サウスハイスクール Ryoya Matsumoto

日刊サン選   本当はくつのおかげでできること
サウスハイスクール Makoto Ataka

佳作・TJSラジオ選   色々なくつ下あるよにじみたい
サウスハイスクール Ellen Yamaguchi


日刊サン選努力賞


パーティーにはいていくけど歩けない サウスハイスクール Anna Tsuma

長いのに彼の話は笑えない サウスハイスクール Rinnosuke Nagamatsu

ケント君クラスのすみでひっそりと サウスハイスクール Robert Luk

英語では話しが苦手こまってる サウスハイスクール Hoku Sawakawa

電話をし話しをしてもまだたりぬ サウスハイスクール Luke Sunaoka


選者のことば

―選者・半田俊夫

十代の日本語の勉強を続ける日系子弟の皆さんの作。投稿してくれる姿勢が嬉しいです。日本語と感性を磨きつつ一生楽しめる道。皆さん前途洋々です。

「クラス―」。家や仲間で話す時は手など上げないけれどもクラスでは上げるんだと観察した目とまとめ方に座布団一枚。公的な場では勝手に話すのでなく民主的で公平さが大事ですよね。いい所に着目しました。

「とても―」。、赤ちゃんですか?字余りですが、いとしさが自分の支えになると、純な気持ちが素直に表れ、よんで心が温まりました。

「色々な―」。色とりどりの靴下を見て虹を連想した心は素敵です。美しいものに想像力が膨らむのは幸せな事ですね。その調子でこれからも沢山作ってください。行けますよ。

「内容は―」。そういう大人が多いですか、大人として申し訳ない。少年の正直で鋭い目、勉強になりますハイ。冷静な観察眼を生かして沢山作句し腕を上げてくださいね。楽しいでしょ。

―選者・日刊サン

今回応募してくださった作品は学生の方が詠まれたというのが伝わるとてもストレートで初々しい作品が多かったです。「ケント君―」の句は詠んだ時のインパクトがすごく、筆者の学生さんのさまざまな心境を深読みしてしまいました。ぜひケント君に話しかけてあげてほしいです。
「本当は―」。これもストレートな表現の作品が多い中、いろいろと考えさせられる内容でした。すべてのことへの感謝の気持ちを忘れてはいけないなと強く再確認させてくれた作品だったので選びました。

―選者・TJSラジオ

「色々な―」。にじのような靴下のラインナップが鮮やかに目に映り、その「にじ」をカラフルな靴下を履いた子供たちがずんずん元気よく歩いて渡って行きそうな、メルヘンまでもが浮かんできました。きっと、にじの向こうにはいろいろな世界が広がっているんですよね。



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