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第20回 ポエム・タウン

<成人の部 俳句 入賞作品>


嶋 幸佑選   わだかまり雛と一緒に今朝ながす   麻生三晴

佳作   書棚より一書抜き出す春炬燵   野島弘子

佳作   小東京着物に晴る今朝の春   生地公男

佳作   手足振り挨拶も派手夏帽子   那智高雄

日刊サン選   陽を受けて仲間と地面で笑む落ち葉   露の雫

TJSラジオ選   神ありと見上る空に冬の星   内 アリス


日刊サン選努力賞


迷い道途方に暮れて春の風   鈴木清司

寒月光コヨーテの眸の色の山   大柳藤湫

具だくさん湯気目にしみるひとり鍋   金子ミツ江


選者のことば

―選者・嶋 幸佑

俳句の目的について、次のような言葉が目に留まりました。「物の―自然のリアル、人間生活のリアルをつかむことだ。そうして、そこに詩を発見することだ」(小島政二郎)。

「わだかまり―」。人はだれでも、それぞれわだかまりを抱いているものです。流し雛を見送りながら、そのわだかまりが雛と一緒に流れていくのを感じている作者。そこに詩があります。下五は「流れけり」としたほうが詩情が豊かになります。

「書棚より―」。読書好きな作者の気持ちが暖かい。

「小東京―」。小東京の新年は、こうありたいものですね。

「手足振り―」。夏帽子の気取った姿が見えます。

小島さんはこうも言っています。「本当の俳句を作ろうと思ったら、まず自己を発見することが必要だ。……芭蕉が自己を発見するために、どんな苦しみを舐めたか」。まあ、芭蕉さんとは言わないまでも、自己を発見することは確かに、何につけても大切なことです。

―選者・日刊サン

今回は冬の句が多く、季節柄哀愁の漂うしんみりした作品が多くありました。「凍鶴や―」、「初雪に―」「具だくさん―」などは冬の寂しい雰囲気をストレートに表現できていてとてもよかったです。

「陽を受けて―」は、「落ち葉」という一般的には寂しい印象のある季語を用いながらも、「仲間と地面で笑む」という明るい表現を使うことで、冬の情景を詠んでいます。作品からとても暖かい印象を受けて斬新な一句だなと思い、選びました。

―選者・TJSラジオ

 同じ冬の星をどこかで眺める人がいる、なんて想いも浮かびつつ、きっと心には「神」があると思える、または思いたい何かがありつつ、キンと冷えた空気の中で夜空を見上げたら、そこに冬の星座が煌めいている。ドラマのワンシーンのようであり、なお哲学や、そして侘び寂びも感じるそんな壮大さをこの句から感じました。



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