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第19回 ポエム・タウン
<成人の部 入賞作品【川柳】テーマ「写真」「ペット」「自由」>
半田俊夫選 見合い写真妻は綺麗に写ってた 永沢 卓
佳作 亡くなったワン子の写真に語りかけ ロペス文子
佳作 どうみても免許の写真犯災者 野島弘子
佳作 まあ可愛いい家族写真のペットほめ 田和紀陽子
日刊サン選 ウチの犬妻を怒ると吠えてくる 永沢 卓
TJSラジオ選 肩書が取れてペットも振り向かず 内 アリス
日刊サン選努力賞
二ヶ国語解るペットで祖父の守り 宇都湖畔
不器用でついたあだ名が高倉健 鈴木清司
客のネコ老犬奥へしまい込み 榊原フジ江
ペットより家族が欲しい一人者 真船圭子
グチを買うお金がないと愚痴こぼす 麻生三晴
白黒の写真の奥に色が在り 石口 玲
俺よりも手厚い保険お犬様 柳谷益弘
お若いね言われてチツプ倍にする 高峰みち子
悩み事ペットに話せば首傾げ しその葉
アルバムに入りきらない過去の日々 黒川彩歌
選者のことば
―選者・半田俊夫
成人の部からはたくさんの投稿を頂き、入選相当なのに枠の都合で入れられなかった無念の句が入選作と同数ありました。生活の一場面を切り取って人々の共感を呼ぶ句の数々でした。遊び心を磨いて、皆さん次回も頑張ってください。歌心の感覚を磨きつつ自分史のページを増やせます。
「見合い写真—」。含蓄?のある句でありますな。最後の「た」が効いていますよ。最後が「る」だったらもう少し平板で且つ平和?な句になりますが。川柳の含みの味わいが嬉しいですね。
「亡くなった—」。光景が浮かび心情を窺わせる情感の句になりました。淋しさ、悲しさ、懐かしさ、思い出の温かさ、今もある繋がり、など多くの人の共感を呼ぶでしょう。共感が川柳の命ですね。
「どうみても—」。犯罪者の意ですか。微笑まずに固い顔だと免許証の写真はどうも指名手配ふうに写りがちですよね。写真は真実を写すと書きますが。「その男凶暴につき」なんて題名が似合ったりして。「実物はいいんだぜ」の含みと共に余裕の自虐が川柳の味。
「まあ可愛いい—」。つい出ちゃったんですね、思ったとおりが。そのあと互いに口に出さなくても、こちら側の「ありゃま、言っちゃった」と、言われた側の「言ってくれたわねー」の無言劇が 浮かび上がってくる物語性に表彰状。
―選者・日刊サン
みなさんとペットとのさまざまな関係が表現された川柳に笑ったり、賛同したりしていました。また写真は過去が写されているので「古き良き時代」を懐かしむ作品が多かったです。「昔に比べると今はこんなに良くなった!」という作品がなかったのが残念でした。
「ウチの犬—」は、奥様の代わりに、ワンちゃんが「言い訳」しているのでしょうか?ワンちゃんに吠えられたご主人は、シュンとだまってしまったのかしら?と、後々のことを想像しました。「グチを買う—」は「上手い!」の一言。最後の最後まで気になりました。
―選者・TJSラジオ
決してご自分のことを詠んでいないことを願いつつ選定。皮肉をも笑い飛ばせる川柳ならではの手法で、ある人生の悲哀をユーモラスにアレンジしてくださいました。
< 川柳 青少年の部 入賞作品 >
半田俊夫選・TJSラジオ選 さかなつり水にうつったほしきらり
ソーテル日本学院五年生 フェルドマン明
佳作・日刊サン選 大きなしあいシュートをきめてイェーイイェーイ
ソーテル日本学院四年生 吉本 海
選者のことば
―選者・半田俊夫
青少年の部は日本語の勉強中と思いますが、作句しようという気持ちは素晴らしいです。句作りは日本語と共に感性を磨き人の幅も広げますからこれからも是非続けて楽しんでください。
「さかなつり—」。きれいです。視覚的な色彩感が爽やかにまとまりました。魚を追いながら水面に揺れる星影にふと惹かれた感性が素敵です。詩人ですねえ。
「大きな—」。「大きなしあい」は「大試合」にしてもよいのですがイェーイも含めて型にとらわれない自由なことば使いが若い躍動感を生みました。光景が目に浮かぶようです。
―選者・日刊サン
「大きな—」。作者のはちきれそうに嬉しい気持ちが伝わってきます。すなおでストレートな一句です。私も嬉しくなりました!
―選者・TJSラジオ
きらり輝いたその星が、実は大きな獲物の魚影かもしれない!そう欲深く思うのは、大人になった証拠でしょうか。どんな時でも嬉しさ、楽しさを、素直に表現できることは大切ですね。