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第17回 ポエム・タウン

<成人の部 短歌 入賞作品>


岩見純子選   手際良く今川焼きを焼く娘ふと見上げ笑む目が客を呼ぶ   アーサー中根

佳作   故郷より桜の押し花とどきたり淡きピンクの色そのままに   キッツ幸子

佳作   包まれて四つ葉クローバー出で来たり昔に読みし本の中から   キャッシー・ナカハラ

西岡徳江選   スペインの路傍に咲きしコクリコの薄き紅色かすかに揺れおり   キャッシー・ナカハラ

佳作   ふるさとの雪降るニュース見し後に雪なき街で雪の歌きく   工藤紀美子

佳作   幼児はブランコを漕ぎ天高く歌い続けるキラキラ星を   石井志をん


日刊サン選努力賞


巣作りのハミングバード追うレンズ怒りの飛翔に父を忍びし   たなかきんいち

若き日は日毎この世の密を吸ひ老いて夜毎の旅枕なり   ワーレス信子

生気なさ鏡に写し問いかくる四六時中を接する夫に   ユリコ•シールズ

晩秋の午後の風吹く疎花の庭冷気いとわづ蝶睦び飛ぶ   生地公男

胸元に何かが棲めば苦しくて隠しごとする哀しき心   日高かおる

あるはずと描く心の紅の色グラジオラスの蕾の先に   堀 勝

ごつごつの幹だけ残った街路樹は赤ちゃん抱くかに若芽を見せる   古田和子


選者のことば

―選者・岩見純子

今回の投稿歌には、花や木などの植物がたくさん詠ってあった。人々の目や心に潤いを与えているからだろう。梅、桜、藤、枇杷、蘭、胡瓜、みかん、森、苦瓜、薔薇、菜の花、林檎、街路樹、芽、クローバー、翁草、ラデッシュ、シャクナゲ、コクリコ、シャコサボテン、紅葉、バイカウツギ、グラジオラス、植木、じゃがいも等。

「手際良く―」 。「ふと見上げ笑む 目が客を呼ぶ」なんていい着眼だろう! 娘は何も言わなくても、ふと見上げた時の笑む目は、最高のもてなしなのだ。私もこの今川焼きを食べたい。

「故郷より―」。 四、五句の「淡きピンクの色そのままに」で、作者の感動が伝わってくる。

「包まれて―」 四つ葉のクローバーは幸運のシンボル。作者の喜びが目に見えるようだ。

―選者・西岡徳江

短歌を詠む時は、一度自分のもっている固定観念や先入観を除いて詠うとよい。ありふれた表現を使用するのは避けよう。自分の直感や五感を大切にし表現してみよう。

「スペインの―」。ケシでもなくポピーでもなくコクリコの言葉を用いて成功した。与謝野晶子のコクリコの歌をも連想させ、叙情的である。コクリコはフランス語。

「ふるさとの―」。雪を三回使って巧みに表現した。それぞれの雪の情感の違いが良く表われ、ふるさとへの郷愁も伝わってくる。

「幼児は―」。ブランコをこぐ度に空に近づいていく喜びと動きがよい。子供の無心さとキラキラ星の歌が調和している。



<青少年の部 短歌 入賞作品>


岩見純子選 該当者なし
西岡徳江選 該当者なし

選者のことば

―選者・岩見純子

アメリカの高校で日本語を勉強している生徒のみなさん、短歌を作ってくださってありがとう。こんなに多くの日本語の言葉を知っていて、とてもうれしかったです。これからも日本語の勉強を続けて、短歌を作り、また投稿してくださいね。指導をされた先生に、お礼を申し上げます。

―選者・西岡徳江

自分の言いたいことを、やさしい言葉でも良いですから、意味がわかるように詠む練習をしましょう。短歌にするのは難しいですが、次回の投稿を期待しています。



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