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第16回 ポエム・タウン

<成人の部 入賞作品【川柳】テーマ「スッピン」「同窓会」「自由」>


半田俊夫選   スッピンの妻に起こされここは何処   柳谷益弘

佳作   初恋は同窓会で夢覚めて   君子シンプソン

佳作   薄化粧人に会う時心にも   しその葉

佳作   じいちゃんの得意は昼寝夜不眠   日向灘

日刊サン選   化粧なし心美人の妻がいる   柳谷益弘

TJSラジオ選   同窓会一夜明けても名前出ず    君子シンプソン

ゲスト選者 田中秀選   もう何年変らぬ笑顔同窓会   ノジマ ヒロコ


<日刊サン選 スポットライト川柳>


足跡をふいてこいよとネコに言う   内アリス

同窓生刑務所にてはち合わせ   凸凹太郎

スッピンで勝負の出来た年は過去   石口 玲

スッピンと化粧あとでは別人間   真船圭子

同窓会年金額で席決める   永沢 卓

同窓会寄れば昭和の顔になる   高峰みち子

“嵐”見たあ?若作りして同窓会   田和紀陽子

スッピンで出社しあなたどちら様   榊原フジ江

いじめっ子会ってひと言記憶なし   カジ マサヨシ


選者のことば

―選者・半田俊夫

今回たくさんの投稿がうれしい。青少年の投稿復活に大喜び。青少年の作は素直さと大らかさと拙さの良さがあり将来性豊か。俳句的なのが多いが川柳は自由で生活から出るもの。青少年は諧謔や悲哀の味を求めないのが良い。これからも頑張ってね。
一般の部は皆さん努力の跡が伺えて旺盛な創作意欲を歓迎。シニアの創作は長年培った感性を更に磨き生活観察の目に滋養を与えているのが分ります。自分史に作品をどんどん残してください。
「スッピンの―」。スッピン題ではこれが極め付き。良く使われそうな状況ですが、まとめ方が上手。実際は奥さんはそんなことはなく謙遜の入った句と想像しますが、他人を使っては失礼だから無理のきく身内の奥さんを使ったのでしょう。起こしてくれるいい奥さんに後でサービスして埋め合わせしてあげてくださいね。
「初恋は―」。同窓会に行かなければロマンは続いたのに、これだから同窓会はほろ苦さと悲哀も生まれる訳ですよね。そこを上手にまとめました。お相手さんの方もどう思ったでしょうか、一句作ってほしいですね。
「薄化粧―」。いいですねこの心根。年輪を重ねて得る心のたしなみと言いますか、上品な人柄を感じさせます。川柳は自由です。ユーモアや悲哀とは別の種類の川柳、この句のように自分を律する前向きの心や人への思いやりなどの句も味わい良いものです。
「じいちゃんの―」。じいちゃんのことを良く見ていて、それを上手く五七五句にまとめた手際がテンポよく快調。こう謳いながらもじいちゃんへの優しい心も滲んでいます。昼寝も心地よいから、夜眠れないなら昼寝は止めなさいとは言えませんけれども、昼寝は十五分くらいに決めると夜も眠れていいらしいですよ。

―選者・日刊サン

「同窓会」のテーマでは、ダイエット、容姿、病気などさまざまな思いがたくさん詰まっている句が多くて、なるほどと思いました。「スッピン」では、化粧をしている時やしていない時の差などが表現されていて、女性の私の胸に刺さり、まいりました。自由テーマの一句、「足跡を―」は、自分自身の体験と重なり、一人笑いしました。笑いあり、愁あり、優しさあり、愛ありですごく楽しく作品を選ばせてもらいました。
「化粧なし―」。一度でいいからそう言われてみたいですね。妻は心美人がいいと思っているご主人の奥様を見る目が大変すばらしいです。美人もよいですが、奥様となると美人だけではいけません。この句は、愛妻家のご主人の奥様への愛情とのろけが表現されていますね。

―選者・TJSラジオ

「同窓会―」。同窓会は気持ちの上でタイムスリップできる充分にスリリングな
イベントですが、素敵な変貌を遂げて、誰だか分からないのか、その逆なのか。はたまた、相手は昔の面影を残しているのに、名前が出てこないのか。年を重ねハプニングにも哀愁が漂うことしばしば…。「名前出ず」と結んでいるところに、開き直りの潔さも感じます。そのうち思い出しますよね?

―ゲスト選者・田中秀

「同窓会」をテーマにした句では、時の流れや同窓会の実態についてなどの句が多かったです。
「もう何年―」はとても朗らかでした。字余りともとれますが、非常に読みやすく歯切れも良いと思います。何年経っていても、昔の仲間とまた笑顔で話ができることほど素晴らしいことはないと思います。また「変らぬ笑顔」という表現には健康であるということが受けて取れます。健康であることは大切ですよね。
「スッピン」というテーマの句には、化粧の前後の違いに、くすっと笑える皮肉のような句が多かったです。中でも「スッピンと―」は、化粧前の容姿と化粧後の容姿が全く違うことが表現され、「美人は化粧美人なだけで、まやかしかもしれない」という現実を知ることができました。


<青少年の部 入賞作品【川柳】テーマ「自由」>


半田俊夫選   秋が来て山の葉っぱも衣替え   浮田らら

佳作   雪だるま太陽見たら泣いちゃった   小西美也

佳作   母の日に大きな愛と花おくる   柳 亜希世

佳作   サンタさんクリスマスのあとバケーション   中川大智

日刊サン選   夜の空光の花が咲きました   浮田らら

TJSラジオ選   雪だるま太陽見たら泣いちゃった   小西美也

ゲスト選者 田中秀選   葉が黄色さみしい気分秋が来た   伊藤 秋


<日刊サン選 スポットライト川柳>


さっぽろの寒さ忘れる雪祭り   欧 美空

殺されるターキー逃げ出す感謝祭   野内愛来

ハロウィーンおかし食べすぎ虫歯でき   杉本 舞

ココア飲み雪だるま作る冬が来た   玉栄一郎

春休みちょっと息抜き一週間    木村嶺惟


選者のことば

―選者・半田俊夫

「秋が来て―」 。きれいです。秋になり山の樹々の葉がすっかり色を変える様が目に見える表現力に真っすぐな力を感じます。衣替えに例えた日本語の語彙力は文化の心と力でありこれからの成長が期待できて嬉しい句です。
「雪だるま―」。雪だるまが太陽で溶ける様をただ溶けて顔も歪んでしぼみ消えると謳うのでなく、泣いちゃったと捉えた感性と表現力は素晴らしい。ここからユーモアや悲哀や喜びなどさまざまな歌心が育っていくと思います。
「母の日に―」。 気持ちをそのまま素直に謳った川柳で俳句にもなります。何の変哲もないようですが母と愛と花が並び感謝の温かい心が素直に伝わってきます。気持ちの良い作ですね。
「サンタさん―」。こういう比喩がやはり才能の一つと思います。クリスマスが終わるとサンタの登場や話題はなくなりますが、それを次の年までの「バケーション」と着想し表現したのがあなたの感性。いいですね。

―選者・日刊サン

みなさんの投稿、ありがとうございました。みなさんがおもいおもいに自分の気持を川柳で表していて、どれも大変素直でかわいくて、すばらしい作品だったので、選考が大変でした。今回は選ばれなかった句にも「大変よくできました」の花丸をあげたいです。次回の作品も期待しています。今回以上に選者の私たちを悩ましてくださいね。待っています。
さて、今回選んだのは「夜の空―」です。光の花はどんな花が咲いたのでしょうか。星の光の花、それとも花火かしら?この句は読む人にとっては、どんな花が咲くのでしょうか。とても素直な気持が表れていて、楽しい一句です。
この他にも気になったのは、 「さっぽろ―」。雪像を思わず寒さを忘れて見入ってしまいますね。「春休み―」は、気候の良い春の短い休みが素直に表現されています。

―選者・TJSラジオ

「雪だるま―」。太陽の光の下でキラキラとした涙を流し眩しげな雪だるま。今度はいつ会えるのでしょうか?寒さの中、一生懸命に作ってもらった雪だるまが、駄々をこねているようで、また別れを惜しんでも
いるようで、可愛さと共にキュンと切なくなる一句ですね。

―ゲスト選者・田中秀

「葉が黄色―」。 季節感のある綺麗な句や子供らしくユーモアあふれる句が多い中、私はこの句にきらりと光るものを感じました。この句は作者の心が十分に伝わってきます。夏という暑く活動的な季節が終わり、涼しく落ち着く秋がやってくる情景が想像できます。夏の葉の色は活き活きとした緑で、その色が秋になるにつれてだんだんと哀愁のある黄色に変わっていく。その様子はまるで人生を表しているようでやはり寂しさを感じました。また、自らの名前「秋」を句にうまく入れている点にも驚かされました。



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