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第15回 ポエム・タウン
<成人の部 入賞作品【川柳】テーマ「早起き」「力(パワー)」「自由」>
半田俊夫選 早く起き目覚し鳴るのを待っている 真船圭子
佳作 オミクジに努力し待てと書いてあり 高峰 みち子
佳作 渋柿もお酒飲ませば甘くなり 麻生三晴
佳作 褒められて本気でこつそり努力する 高峰 みち子
日刊サン選 早起きをしたが昼から眠くなり 石口 玲
TJSラジオ選 人生はその時々にグーチョキパー シソの葉
<日刊サン選 スポットライト川柳>
腕相撲息子に負けて怒りだし 宇都湖畔
安いかに得したつもり食当たり 鈴木清司
早起きて富士山胸に羅府蓮山 野島弘子
買い物と児を守る母力持ち 田和紀陽子
交通の不便地生まれ力走系 鈴木ロジー
午前4時昔就寝今起床 永沢 卓
屁の力ねずみ驚き姿消す 柳田煕彦
寝ていてもつついて起こしあやしたい 内アリス
富士山が活火山だと今ぞ知る 詩月直竹
子に歌わぬ夫を歌わす孫のパワー みちこ
早起きし三文どこかに有るのかな? ローペス文子
神さまに貰ったチカラ使い切る 柳谷益弘
選者のことば
―選者・半田俊夫
今回もシニアパワーの積極的応募は嬉しいものです。皆さん創作の苦心を楽しんでいる様が伺えます。これで今年も終わり。また一つ年を取るとも言えるし、人間完成はないのでまた成長の一年を重ねたと考えるのもいいもの。勝負で言えば一勝一敗くらいが一番。来年も作句の苦労を味わいつつそこを乗り越える楽しさを享受しましょう。そうしましょう。
「早く起き―」。そうなんだ!と共感の広がる句。特に大事な事のある朝ほど、前夜目覚ましをかける事で神経緊張のせいか鳴る前に必ず目が覚めて、あとは鳴るのを今か今かと待つ逆転現象は皆覚えのある事。人間とは面白く愛すべき生きものですね。広く共感を得る皮肉体験の取り上げと言葉の流れの良さが秀逸です。
「オミクジに―」。いいこと書いてあるオミクジですなー。待ったらどうなるかは書いてない。これをシャーシャーと印刷する神経というか感覚も図太いというか何と言うか大したモンです。我々も見習わねば…このオミクジに着目してスッと句にした作句力!(これは皮肉ではありません。)
「渋柿も―」。渋い顔をした人も気むづかしい人もお酒を飲ませると緩んで甘くなるもんですよね、渋柿みたいに。渋柿の方が素直ですが。渋柿は甘い干し柿となって我々を喜ばせてくれますが人間もそうあって欲しいものですな。人間との比喩を浮かび上がらせる感覚が秀れ含蓄に富んだ句、お見事。
「褒められて―」。可愛いですね。人間の秘められた?愛すべき本質。そこを正直に捉え、しかし面白おかしく表現する、これぞ川柳。いい句を有難うございます。今後もこの線を大いに期待していますよ。
―選者・日刊サン
張り切って早起きをした日は気持ちがいいですよね。でも結局は昼から眠くなる気持ち、よく分ります。早起きをして時間を有効に使いたいのですが、体は正直ですよね。大変共感出来る作品です。
―選者・TJSラジオ
思わず納得の一句です。備蓄用だったんですね下腹は。備蓄の品も時には入れ替えが必要ですが、入れ替える暇もなくただ蓄えてしまっている自分を反省しながら、少し救われた気もするこの川柳を選びました。この先、段がさらに増えたら蔵持ちですが、そうならないよう心がけたいですね。
―ゲスト選者・門倉志気子
人生は勝負の連続とも言えますね。硬い石(意志)で勝つ時もあれば、ハサミで断ち切るかの如く、何かを切り離す勇気も必要でしょうし、大きく包み込んで勝つことも。特にこの句は「その時々に」という7文字が生きていると思います。決して後出しせず、その時々に勝ったり負けたり、泣いて笑って楽しく充実した人生を送りたいものです。