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第14回 ポエム・タウン
<成人の部 入賞作品【川柳】テーマ「別腹」「空間」「自由」>
半田俊夫選 身の丈に生きてる一つの飯茶碗 ローペス文子
佳作 4畳半家族4人で住んでいた 永沢 卓
佳作 酔いどれの如く甲板散歩する 小池美代子
佳作 浮き雲をみおろしながら里帰り 金 一美
日刊サン選 空間の取り方大事人と人 シソの葉
TJSラジオ選 二段腹消化が上で下備蓄 永沢 卓
ゲスト選者 門倉志気子選 内視鏡腸も飛びでる請求書 鈴木ロジー
選者のことば
―選者・半田俊夫
皆さんの活発な楽しい句の数々を楽しみつつ今回も計四作しか選べない枠に苦悶した次第。川柳は喜怒哀楽と風流の共感度を基準に見ますが、入らなかった方は「自分のは次点だった」と看做してまた挑戦して下さい。心と脳が楽しく活性化され顔に出ますよ。
「身の丈に―」。ご飯茶碗は大きなどんぶりと違って自分の存在を主張せずに身の丈にひっそりとしかしつつましく毎回役に立ってくれていますね。その茶碗を更にご自身の身の丈にも合わせ見つめる貴方の目。いい句ですね。江戸期古典のような味わい。
「4畳半―」。大変でしたなー。ワイルドだったでしょうね。お察しします。過去形だから今はそうでない訳で良かったですね。泣き笑いの苦労も今は充実感を持って回想できる思い出。今は淋しさもあるかも。濃密で破格だった往時をさらっと句にする力量。今宵も伸び伸びとお休みください。
「酔いどれの―」。クルーズ中の船上散歩ですか。よろめきながらの甲板歩きを酔いどれ歩きに結びつけた視点が面白いですね。本当に酔った上で甲板歩きしたらどうなりますかね。壁に頭突きしたり下に落っこちたりして。ふらつき甲板散歩と酔いどれを連想した感覚とまとめ方を買います。。
「浮き雲を―」。日本に里帰りする機中で皆が楽しみや期待と共に体験する景色と感慨ですね。日本だけでなくて米国から里帰りする世界中の人たちが共有する体験でしょうね。するとこれは世界普遍的名句の可能性。船の時代だったら波間を見下ろしながらとなったでしょう。海外在住者の共感を引く作。
―選者・日刊サン
今の時代といいましょうか。皆がギスギスしているようでストレス社会ですね。少しの事でイライラが募るようで人との関わり方はとても大事だと思います。また、「空気が読めない」とかよく耳にします。本当に空間の取り方は大事だと思います。
―選者・TJSラジオ
思わず納得の一句です。備蓄用だったんですね下腹は。備蓄の品も時には入れ替えが必要ですが、入れ替える暇もなくただ蓄えてしまっている自分を反省しながら、少し救われた気もするこの川柳を選びました。この先、段がさらに増えたら蔵持ちですが、そうならないよう心がけたいですね。
―ゲスト選者・門倉志気子
どれも、くすっと笑ってしまうような作品ばかりでした。日常でなんとなく感じている物事や出来事も、詩にするとなるほどなぁ!と、共感できる気持ちが大きくなりますね。「内視鏡―」は、アニメや漫画でありそうな状況がすぐに頭の中に描かれました。検査を受けるとなると、思いがけない費用がかかってしまうことがありますよね。食べ物がより一層美味しくなる秋、食べ過ぎてお腹をびっくりさせないように!素敵な秋を過ごしましょう。
<青少年の部 入賞作品【川柳】テーマ「別腹」「空間」「自由」>
半田俊夫選• TJSラジオ選• ゲスト選者選 該当者なし
日刊サン選 おとうとのうそなきみぬくぼくあにき サイモン•チャオ
選者のことば
―選者・日刊サン
とてもおもしろくてさすが兄貴ですね。よく弟のことを見ているようです。お父さんやお母さんに「お兄ちゃんなんだから泣いている弟の為に○○しなさい」と言われる兄貴。弟をよく見ていて、弟のことを分っている兄貴。でもとても大好きと思える川柳です。やはり兄貴ですね。
<日刊サン選 スポットライト川柳>
別腹と食べたケーキでメタボ圏 真船圭子
ダイエット納得出来ぬ別腹が 野島弘子
空お世辞まるでビールの泡のよう 麻生三晴
別腹で生まれた孫が他人めく 内 アリス
別腹で暑さを凌ぐ糖尿病 日向 灘
別腹のデザート先にチェックする 宇都湖畔
別腹と知らされ尚も仲は良し 浅子 恵
足りぬとこ埋め合いながら友白髪 高峰みち子
このズボン去年のゆとりはどこへやら 石口 玲
故郷との空間消える夢の中 田和紀陽子
別腹に満腹感が嫉妬する 柳谷益弘
ドーナツの穴を何とかして食べる 古賀由美子
川柳 ゲスト選者

門倉志気子さんプロフィル
神奈川県出身 相模女子大学3年
趣味 バイオリン
9月に大学の海外インターンシッププログラムでアメリカに滞在。