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第13回 ポエム・タウン
<成人の部 入賞作品【川柳】テーマ「魔法」「電話」「自由」>
半田俊夫選 大三元社長の牌で上がれてた 永沢卓
佳作 留守電にしゃべらせゆっくりお茶を飲む 宇都湖畔
佳作 ルス電に10年前の祖母の声 古賀由美子
佳作 あの子役もう中年がはまり役 田和紀陽子
日刊サン選 Eメールしたが電話で確める 真船圭子
TJSラジオ選 ルス電に10年前の祖母の声 古賀由美子
ゲスト選者 杉立篤哉選 魔法かけ木の葉が$になれば良い ローペス文子
選者のことば
―選者・半田俊夫
「大三元―」役満を上がらなかったんですな、勿体なくも。いやはやサラリーマンは辛いよ。でも上がってたらそこで稼いだ以上にボーナス減るかもね。優しい人柄も感じますし総合的には賢く負けるが勝ちでしょうか。この句のユーモアとペーソス、いいですね。
「留守電に―」。ムムムおぬしできる、達人技の世界ですな。文明の利器を小憎い程そこまで使いこなすその余裕の域に達するのは相当な人生経験か、或は素質ですか? ほんわかの場面が浮かぶ楽しい名句です。またいい手を教えてください。
「ルス電に―」。消されずに残っていたのですね、となるとご健在か故人かはどちらにしても貴重でもう消せませんね。お母さんにとっても大事なお母上の昔の声。発見した時の嬉しい驚きの雰囲気わかります。取っときましょう。偶然のいい題材を上手に詠いました。
「あの子役―」。少年老い易し、年々歳々人同じからず、歳月は非情で非常。子役が中年役をやるようになったと云うことは上から見ていた貴方も…あ、僕もですな、、皆に公平な時の流れを思わせてくれてほろっと苦くユーモラス、まとめ方上手ですね。
―選者・日刊サン
今回の作品では「電話」のテーマで書かれた作品の多くが「なるほど」とうなずけました。毎日使う電話、とくにケイタイなどは大変便利になりました。今では手離せませんね。また、「魔法」は私も使うことができればいいなあと思う時がたくさんあります。今回も皆さんの川柳を選考する時は、本当に頭が痛くて、そんな時、魔法が使えたらと皆さんの作品を読みながら思いました。
「Eメール―」。この作品が目に止りました。あ、そうだ、そうだった。私もまた同じことをしたからです。今の人たちはケイタイを上手に使います。私は機械オンチなので、いろいろな機能があるのはかえって難しくて使いづらく大変です。なのでEメールなどたまにする時など相手にちゃんと届いているか不安になって電話で確かめることが本当によくわかります。
―選者・TJSラジオ
ずっと残しておきたい声、音、ありますよね。おばあ様の声、お孫さんの声、想い人の声、もう用は済んでいるのに消せない、何度でも聞き返してしまう、そんなメッセージは宝物です。その声を聞くだけでその時の気持ちや、その人に対する想いがよみがえる。素敵な川柳ですね。
―ゲスト選者・杉立篤哉
全体として日常生活で感じる願望やボヤキが見て感じ取れる詩が多いと思いました。
その中でもこの詩は誰もが一度は思ったことがあるのではないでしょうか。普段何気なく思ってしまうくだらない願望が私にはものすごく共感できました。特に“木の葉が$になれば良い” という部分が印象的で、私もふと思ってしまう時があります。そのように考えてしまう人間の性がよく表れている良い作品だと思いました。
<日刊サン選 スポットライト川柳>
この赤字魔法で黒くして欲しい 麻生三晴
セラピーの犬は笑顔の魔法かけ さかきばらふじえ
電話出ておじぎをしてる上役に 野島弘子
電話鳴り句作中断つぐ談義 鈴木ロジー
億貯めて使わぬ人のお気の毒 内アリス
婚活で魔法の若さ若造り 鈴木清司
何時も又会ひましょうと切る電話 ウィルソン千恵子
合格か天国からの電話待ち のぶとく
何時も又会ひましょうと切る電話 ウィルソン千恵子
心配と期待に押されて電話する シソの葉
姉さんは電話に出る時声変わる 石口玲
アラジンの魔法をかけて変身を タミー米田
オレオレの電話まだ来ぬ我家には 詩月直竹
川柳 ゲスト選者
杉立篤哉プロフィル
岡山県出身、関西学院大学経済学部2回生。特技はサッカーで小学校から高校までひたすらボールを蹴る日々に明け暮れていた。大学生から一人暮らしを始め、周りからいろんな影響を受け留学を決意、現在日刊サンにてインターンシップ中。