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ポエム・タウン
<俳句区>
優秀賞 星条旗うち振るごとく金魚の尾 塚本惠
日刊サン賞 桜映え太平洋の絆かな 那智高雄
TJSラジオ賞 祭酒嫁軍団の指揮は祖母 鈴木ロジー
佳作 一張羅にはじく飛沫や那智の滝 鈴木ロジー
佳作 日盛りを来て図書館に暗き森 塚本惠
佳作 麦秋や陽のころも着て鎌うごく 金子ミツ江
選者のことば
優秀賞は「星条旗―」と「一張羅―」のどちらにするか迷ったが、斬新さと、いろいろな想像を掻き立ててくれるという理由で「星条旗―」を選んだ。
この金魚、恐らく何かいわく付きなのだろう。例えば、米国の独立記念日のイベントに出ていた屋台で買ったのかもしれない。金魚の尾というのは、旗のようにゆったりと、威風堂々と振れるわけではないから、この場合の星条旗は、独立記念日のマーチを見ながら沿道の観衆が振っていた小さな星条旗なのだろう。
米国の国旗を金魚の尾と比べるというのは不遜という人がいるかもしれないが、作者は今年初めて、米国市民として独立記念日を迎えたのかもしれない。そう思うと、金魚に掛けた作者の思いが、逆に星条旗だからこそ伝わってくる。
「一張羅―」はオーソドックスなつくりの句だが、「一張羅」が多くを物語っている。(嶋幸佑)