敬老シニアヘルスケア4施設売却と日系高齢者の今後vol.3
2015-11-27
日系コミュニティの高齢者の生活を豊かにする目的で作られた敬老シニアヘルスケア(以下、敬老)は、パシフィカ社と4施設売却に関する契約をした。売却に反対する「敬老を守る会アド ホック コミティ(以下、敬老を守る会)」は、売却制止と公聴会開催を求める嘆願書をカリフォルニア州司法長官へ提出した。11月5日、イバネズ司法長官指導官から「敬老を守る会」代表のチャールズ井川氏に返書が届き、「売却に関する評価は完了」と書かれていた。11月16日、「敬老を守る会」は、イバネズ司法長官指導官へ返書を送った。昨日に引き続き、「敬老を守る会」からの返書を掲載する。
本紙では、敬老4施設売却の問題を機に、ロサンゼルスに暮らす日系コミュニティの高齢者の今後を考える。
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「敬老を守る会」から加州司法長官指導官へ返書③
8.お手紙によりますと、敬老の患者や居住者への質の高いケアが守られることを「確信する」とありました。その「確信」は何に基づいているのでしょうか?敬老が過去50年余り運営されて来た間、公認記録に法律違反の記録はただの一件もありませんでした。それに反し、パシフィカは社会福祉局より数限りなく法律違反による取り締まりを受けています。どのようにして御局がパシフィカのふるまいを監視し、万が一契約に従っていなかった場合、いかなる対策で対処して下さるのですか?
9.この売却の完了に伴い、700人以上の従業員の契約が終わります。パシフィカが従業員の採用期間を延期するかもしれません。けれども敬老は年金、有給、無給休暇、現在の役職に基づく報酬など、年功保証が配慮されるような交渉を行なっていません。このことは大変大切な、末永く働いてくれ、2カ国語を話す職員を失うことにつながり、施設は居住者のニーズに応えることができなくなってしまいます。
10.売却後、敬老の経営陣は売却から得た利益を投資して、それの監督を行なうようになります。その資金から得た利益は、教育的なプログラムや高齢者の研究に使われることと思います。しかし、それでは売却により引き起こされる苦しみにさいなまれる現在の居住者の助けにはなりません。居住者は法外な家賃や医療費の高騰から守られることなく、立ち向かっていかなければなりません。それに加えて、敬老が、その売り上げや他の投資資産が全く市民の手から離れ、資金の使われ方もうやむやになってしまうことと思います。
このような理由から、私どもは売却完了以前に人々が慎重にこの件について話し合うべく、一回以上の公聴会を開くことに承認をいただけたらと思い、再度のご考慮を強く願う次第です。御局が再検討してくださることは、か弱く、権利を奪われた高齢者社会の利益を保護することにほかなりません。加えて、売却への論理的な根拠が欠損しています。私どもは御局に敬老がこの共同体を売却する根拠がどこにあるのか是非明らかにしてくださるようお願い致します。
この件に関し、お心にかけていただき心より感謝致します。また、イマネズ様、その関係者の方々のご協力を賜りたく、宜しくお願い致します。
敬具
敬老を守る会会長 チャールズ・井川 同代表役員 ジョナサン・梶
売却計画通知の会合分析表 999.5(d)(10)
(和訳提供:「敬老を守る会」)
=Tomomi Kanemaru

