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ローカルニュース

第3回3・11東日本大震災追悼集会   福島県民が語る“復興が進まない”福島の現状

2014-03-19

 Love to Nippon Project主催の「第3回3・11東日本大震災追悼集会」が、3月8日、ロサンゼルス・ダウンタウンにあるロサンゼルス市警本部(LAPD)のロナルド・F・ディートン講堂で開かれ、気仙沼で被災したLove to Nippon Project創設者の鵜浦真紗子さんをはじめ、岩手、宮城、福島の3県の関係者、新美潤在ロサンゼルス日本国総領事、テリー・ハラLAPD副署長、イメルダ・ペナロング フィリピン総領事館首席領事、ダグラス・アーバー南加日米協会プレジデントら大勢が出席した。講堂の外では神道、キリスト教、仏教の形式で大法要が執り行われ、出席者たちは、焼香をしながら犠牲者の冥福を祈り、復興支援の継続を誓った。
 
 被災地を代表して、福島県からの4人のゲスト、福島大学教授の後藤康夫さん、Japan Perspective Newsの記者・藍原寛子さん、福島県女性団体連絡協議会長の鈴木二三子さん、福島県立会津学鳳中学1年の鈴木ま瑚さんが、3月11日の震災後の様子や現在の問題点などについて発表し、出席者は真剣に耳を傾けた。
 藍原さんは、復興はなかなか進まず状況は物理的にも精神的にも非常に厳しい、避難所で暮らす人々は高齢者も多く、「このままでは自殺者がでるんじゃないかと心配だ」と語った。二三子さんは、食べ物について賠償と差別の観点から取り上げることはなく、食べ物の汚染を解決するには除染技術の開発が急務、「カロリーや栄養素とは違う食べ物の価値をロサンゼルスの皆様と一緒に考えたい」と話した。また、福島の若い母親の心配事は「汚染された空気」だと語った。
 この集会では、ロサンゼルス市消防局のラリー・コリンズ局長らから、ロサンゼルスで地震と津波が発生した場合の準備などについても説明があった。最後に、新美総領事が追悼集会の主催者、出席者、全アメリカ国民に向けて、被災地での救助活動と復興支援への感謝の言葉を述べた。

◆鈴木ま瑚さん「感謝の気持ちを持ち、明日より今日を大切にして生きたい」

 東日本大震災が起こったとき、福島県耶麻郡西会津町にある小学校5年生だった鈴木ま瑚さんは、当時の様子を語った。
 「私たちは戸惑いながらもただごとではないと感じ急いで外に逃げた。学校の裏にある避難所のなかに全校生徒約100人が入り、身動きがとれないほど窮屈だった。しかし、そんなことに不満を感じている場合ではなかった。3月のまだ雪の残る寒い中、先生方が大汗をかきながら、それぞれの生徒の家族に連絡を取っていた。避難所に私の祖母と姉が迎えに来てくれたときは本当にほっとして泣きそうだった」。翌日は、家が倒壊した親戚がま瑚さんの家に避難してきたので総勢16人となった。食料はスーパーからなくなり、隣県まで買物に出た。「いつもと違う状況に戸惑いながらも家族が無事だということに感謝した」と話した。
 ま瑚さんは、この震災の経験から学んだことが二つあった。「一つ目は感謝する気持ちを持つこと。この震災で多くの方々からご支援をいただいた。私はその思いやりのある優しい心が嬉しかった。その感謝の気持ちを忘れず、自分も誰かに思いやりと優しさを届けられるような人になりたい。
 二つ目は一日一日を大切に生きるということ。いつも友だちに『また明日ね』と言っていた。明日も当たり前に会えると思っていて、明日も今日と変わらない日がくると思っていた。でも、明日は変わらずにやってくるとは限らない。今日言わなければならないことは言い、今日やらなければならないことはやる。今日を後悔して終わることがないように、明日より今日を大切にして生きていきたい」と力強く語った。

=Tomomi Kanemaru

東日本大震災の犠牲者の冥福を祈る出席者たち

仏教による法要の模様

震災当時の様子を話すま瑚さん(右端)。(左から)話に聞き入るアーバー南加日米協会プレジデント、鵜浦さん、紙本マイク福島県人会会長

講堂の外には、被災地3県の県人会がブースを出して、震災の様子を伝えた。被災地の写真を熱心に見ている新美総領事(手前)



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