Vol.59 こんなとき、どうする？「日本の家族と上手くコミュニケーションが取れない」
日本の介護サービスで海外在住日本人を応援するサロンドハースは2021年2月にスタート。お陰様で海外在住日本人の方からのご相談も年々増え続けております。とりわけ、日本に住む高齢の親御さんへの切実な想い。時差もあり、国境をまたぎ、親御さんに何かあっても、すぐに駆け付けることはできない。どうすればいいのか？誰に相談すればいいのか？そんな不安を抱えて暮らす海外在住の方の心労を痛感しています。中でも「日本の家族と上手くコミュニケーションが取れない」というご相談は多くいただきます。今回はその解決のひとつの糸口をご紹介します。海外在住日本人は思考回路、行動、
コミュニケーション方法が違う。
20年、30年とアメリカで長く暮らしている人々は普段はアメリカの慣習で生活をしています。言語は英語を使い、頭の中には「英語脳」があります。日本語を話すときには、その英語脳から日本語に訳して会話をしています。英語の文法は主語→述語の順番です。ですから日本語を話すときも、まずは結論から言います。その次に理由を説明する。日本で日本語を使う時には、まずは理由を説明してから最後に結論を言います。また、アメリカでは自分の意見をハッキリ伝える。私はこうしたい、私はこのように考えます、など。自分の意見を言わない人は、表現は少し厳しいですが存在しないのと同じこと。YESかNOを伝えないと相手は自分の意見に同意したと捉えます。日本では周りの空気を読んで行動するので、この場で自分の意見を言うと会議の雰囲気が悪くなるかなぁ、先輩よりも先に言ってはいけないよなぁ、などと考えるので自ら進んでハッキリと意見を述べる人は少ないと思います。アメリカでの生活が長くなると本人も気づかないうちに思考回路や行動が変わってきます。ここに海外在住日本人と日本在住者とのコミュニケーションギャップが産まれる原因があります。
日本にいる家族と上手くコミュニケーションできない。
アメリカでご相談を受けていると「日本にいる家族と上手くコミュニケーションできない」という声を多く聞きます。そこには、先に説明したコミュニケーション方法の違いがあるからです。たとえば、日本の高齢の親のことを家族で話し合っていると「普段はアメリカにいるのに、たまに日本に帰って来てズバズバと言うな。」「堂々巡りをしているだけじゃなくて、結論を出そうよ。」。お互いにイライラしてしまい、話し合いが上手くいかないことも。また、メールでは「長文でどこに結論があるのか分からない。時候の挨拶はいらないんだけど。」「結論や結果だけを書いて欲しい。」など。
これらを解決するには、お互いにコミュニケーション方法が違うということを認識した上で物事を進めていくことが大切です。
＃家族の役割は「親の懐」に切り込んでいくこと。
家族だけで介護をする時代は終わりにしましょう。
離れて暮らしている日本の家族と良好な関係を築くには家族間のコミュニケーションが重要です。円滑なコミュニケーションを取るには、まずは「家族はチーム」と捉えましょう。そして、それぞれの役割分担を決める。次にリーダーを決めて情報共有をスムーズにすることが大切です。また、「家族の役割」は「親の懐に切り込んでいくこと」だと私は思っています。寄り添っているだけでは前に進むことはできません。覚悟を決めて一度親の気持ちを聞いてみましょう。
不安や疑問を抱いた時には私達を思い出してください。私達サロンドハースの専門家チームはバックヤードでいつもあなたを応援しています。
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ひとくちメモ ～私の母８５歳～ No.58
「やはり母は母であった…」②
私達夫婦の家の近くで独り暮らしをしている母。私が先日76時間（３日間）断食をやっていたとき、２日目に低血糖の症状が出てしまった。近くに住む母に助けを求めたく電話をかけるが、母は私が酔っ払っていると勘違いしてガチャン！と電話を切られてしまった。結局、私を助けてくれたのは帰宅した夫だった。そのいきさつを後日、母に話すと「あははは！面白い～。あやさん（私のこと）のろれつが回っていなかったから酔っ払っていると思ったのよ。あはは！」えっと、母よ。あなたの娘は真剣に助けを求めていたのですが。早とちりでサザエさん気質の母の性格は80代になってもそのままであった。
（続く）
