Vol.49 こんなとき、どうする？「親の介護、これから何が起こるのか分からず不安。」
高齢になれば誰でも心身ともに衰えが出てきて介護が必要になります。歳を重ねるほどに認知症疾患の人も増え、持病が悪化してくることも。介護期間は平均すると約10年というデータにもあるように、介護は長期間続きます。介護する側もされる側も先のことが分からず不安になるのは当然です。今回は親の介護について、これからどのように対応すればいいのかをご紹介します。高齢になれば「できないこと」が増えてくる。
まずは親の現状を知って受け入れる。
親の介護は家族にとっては不安が付きまとうものです。それは、次に何が起こるか分からず、事が起こってから対応していくので、先の見えない道を進んでいくようなもの。また、親は「子どもに迷惑をかけたくない」という思いから自分の衰えを見せようとせず、子どもは元気だった頃の親のイメージが頭に焼き付いているので、親の老いを目の当たりにするのはショックであり、認めたくないという心理が働き、親の現状を受け入れることに抵抗を感じます。高齢になり、歳を重ねると「できないこと」が増えていくのは当然です。家族からすると「どうしてできないの？」「前にも言ったじゃない。」「何度も言っているでしょ！」と、できないことが増えてくる親にイライラして感情的になったり、親の老いへの切なさや悲しさから親子関係がスムーズにいかなくなるケースが多くみられます。
親の介護、これから起こることを予測する。
事前に「知る」ことで先手を打って準備。
親の老いを受け入れたくないのは家族であれば誰も同じです。ただ、親の介護は長く続くことであり、これから起こることを予測できれば、事前に手を打つことができます。たとえば、高齢になれば要介護状態が進行していきます。介護度の状態によって何が起こり、どのようなサービスを受ければいいのか、全体を俯瞰してみると分かってきます。認知症疾患になる人は高齢になればなるほど増えていき、時間とともに症状も変化します。また、転倒や骨折、脳梗塞などで倒れて入院後、突然介護が必要になる状態がやってくることも多々あります。
実際にこれらのケースが起こる前に、これから起こることの各項目を洗い出しておくと、介護資金の計画や受けるサービスが分かってきます。
もしも介護が必要になったら、介護のある暮らしはどこでするのか、自宅で介護を続けるのか、施設入居するのか、必要な介護サービスや実家のことや相続はどうするのか、など。地域包括支援センターやケアマネジャーをはじめ、介護にまつわる各専門家に相談しながら、親の介護への備えを早めに進めておくことをお勧めします。
親の介護に直面すると家族は精神的にも負担が増えてきて心が重くなるものです。介護のプロは数多くのケースに対応していますので、外部のサービスを活用して、親御さんも家族も最善の選択をしていきたいですね。
ひとくちメモ ～私の母８４歳～ No.48
「母とエスカルゴ。おもひでぽろぽろ。母と久しぶりのおでかけ」の巻
84歳母とのおでかけ。気付けば、昨年の12月に母の誕生日ランチでおでかけして以来、４ヶ月ぶりでした。私はお仕事に邁進していて母との時間は後回し。 「今年に入って、まだ初詣をしてないのよね。」「大國魂神社に行きたいなぁ。」３月に入ってから、そう言っていた母。「じゃあ、行こうか？」「そのあとにランチしよう」と母とおでかけの約束を１ヶ月前にした。そして、当日の朝。私は疲れがたまって、カラダがだるい。できることなら今日は自宅で寝ていたい状態だった。「母とのお出かけ、キャンセルしようかな？」とも思ったけれど。１ヶ月前から楽しみにしていた母の顔が浮かぶ。えぇい！行ってしまえ！気持ちでカラダを起こして、母との待ち合わせ場所の電車のホームへ向かうと鮮やかな黄色のパーカーを着て嬉しそうに手を振る母がいた。疲れがたまっていてカラダがキツイ私は母に会っても笑顔になれなかった。（続く）
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