Vol.88 親が70代になったので老後の事前準備を始めたら。③老人ホーム入居
今回は前回に続き、海外在住のご家族(子ども)が日本にいる親御さんの老後対策を事前に準備するにはどうすればいいのかということをお伝えしていきます。親御さんのこれからのことを家族(子ども)が話し始めると親御さんとトラブルになることも。ただ、ご家族(子ども)が親御さんのことを心配して本気で動いていることが伝わると現実が変わり始めます。ご家族(子ども)が海外在住の場合、日本にいる高齢の親に何か起きても、すぐには日本へ飛んで帰ることはできない。高齢になり老いていく親のこれからの暮らしについて、いまから備えておきたい事前準備について、実際の事例を基にお伝えします。(3回シリーズの最終回)アメリカ在住のAさん。
子どもが本気で動いていることが伝わると親も変わる!
Aさん(娘さん:40歳)はシカゴ在住10年。ご両親は日本で賃貸マンションに居住。ご両親ともに70代前半ですが、身体の不調が増えて二人暮らしに不安を覚えるようになってきました。そこで、Aさんは日本に一時帰国したとき、ご両親とこれからの暮らしについて話し合いを始めました。初めはお父様が不機嫌になり、「俺のことは自分でやる!」「お前には保険金は一切やらん!」など、これ以上話し合いを続けるのは無理かもと思ったAさん。ただ、Aさんはそこで動きを止めませんでした。一時帰国の2カ月前から7つの分野の専門家と一緒にコツコツと準備してきた項目を次々と行動に移していきます。ご両親のために事前に選んでいた老人ホームの見学に行ったり、重要書類の在りかをご両親に聞いて、必要書類を集めるなど。そして、老人ホーム見学後には、パンフレットをご両親に渡して「見ておいてね」と伝え、Aさんが本気でご両親の今後の暮らしを作っていくと覚悟を決めていることを姿で現しました。
Aさんがアメリカに帰国した1ヶ月後、
ご両親は老人ホームへの入居を決めた
Aさんが日本に一時帰国している間は、ご両親の老後の暮らしについて、話し合いが頓挫することもしばしばありました。ただ、Aさんは本気でご両親のこれからのことを心配して行動を起こし続けました。そして、Aさんはアメリカに帰国。すると、その1か月後、ご両親から「老人ホームに入居することを決めた」と連絡が来ました。また、来月には今住んでいる家を引き払い、老人ホームに引っ越しするとのこと。突然のことにAさんは驚きを隠せませんでした。他にも戸籍謄本や銀行の通帳・印鑑、マイナンバーカード、生命保険の証書など、重要書類の在りかもご両親が教えてくれて、遺言書も作成し、公正証書にして保管するとのこと。これでAさんは事前準備の項目をほぼ終わらせることができ、心の底から安心できたそうです。家族(子ども)が海外在住の場合、高齢の親に何かあったときに、すぐに飛んで帰ることはできません。常に不安を抱いて日々生活するよりも、事前準備をすることで「不安が安心に変わった」とAさんはおっしゃいました。これは「子どもの本気は親に伝わる」ということを実証してくださった事例です。
親の介護や老後のことは、誰もが後回しにしたいことです。ただ、事前に準備をすることで「不安が安心」に変わります。親御さんの「安心で安全が暮らし」を作ることで、自分自身の人生を謳歌することができると私は実感しています。
時代は変わりました!家族だけで介護をする時代は終わりです。専門家とチームを組んで一緒に前に進んでまいりましょう。

ひとくちメモ ~私の母87歳~ No.88
「タイヘン!眼鏡がなくなった事件勃発」の巻
私の母スミちゃん87歳。今は私達夫婦の家の近くで独り暮らしを続けている。先日、母からLINEが届いた。「タイヘン!眼鏡がなくなった!」「朝起きて、顔を洗うときに眼鏡をはずしたら、どこにも眼鏡がない!どうしよう」。えっと、どうしようと言われましても。眼鏡が歩いて外に出ていくはずはない。「絶対に家の中にあるから、もう一度探してみたら」「洗濯機の中や冷蔵庫、ゴミ箱も見てみた?」それでも眼鏡は出てこない。「お母さんの頭の上に眼鏡かけているんじゃない?」とLINEを送るが、眼鏡は出てこなかった。母の眼鏡はどこにいったのか、いまだに解決せず。チーン!(続く)
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