Vol.84 こんなとき、どうする?「日本に本帰国したい。そして、アメリカ在住の母を日本に呼び寄せたい。②更なる壁」
最近ではアメリカから日本に本帰国したいとのご相談が多くなってきました。アメリカの物価高や介護・医療面の不安により、老後は日本で暮らしたいと考える人が増えたからでしょう。今回はご家族それぞれアメリカ各地に在住。認知症のお母様を日本の老人ホームに入居させてあげたいとの思いで、先に息子さんが日本に本帰国。1年かけて環境を整え、いよいよお母様が日本に本帰国したケースを基に、実際にどのようなことが起こったのか、前回に続きご紹介します。アメリカからいよいよお母様が日本に本帰国。
お母様の認知症が想像以上に進んでいた。
Aさん(息子さん:40代)はニューヨーク在住30年以上。お母様を日本の老人ホームに入居させてあげたいとの思いで1年前に先に息子さんが日本に本帰国して、お母様の身元保証人になるため、各種の環境を整えてきました。お母様が入居する老人ホームも決めて、あとはお母様が本帰国してから本人同伴での手続きのみという段階まで準備を整えてきたAさん。そして、1年後、アメリカ在住の娘さんご家族と一緒にお母様が日本に本帰国しました。ただ、息子さんはお母様の変わりように驚きました。この1年間でお母様の認知症状はかなり進んでいて、1分前に話したことを忘れて何度も同じことを繰り返す。ちょっと目を離すとひとりで外に出て行方不明になり、警察に探してもらうなど、Aさんをはじめ、娘さんご家族も毎日一睡もできない状況。2日後には市役所にてお母様が日本で住むための手続きをする予定でした。そんなとき、Aさんから1本の連絡がありました。「僕たちだけでは無理です。母のことが手に負えません。助けてください。」
早速、私から市役所に連絡を入れて、担当部署の方に事情を話して最短で手続きが終わるように伝える。本来なら行政書士など士業の先生方にお願いするところ、あまりにも急だったので今回は私が対応。そして翌日、新幹線でAさんご家族のもとに駆け付けました。
次々と立ちはだかる壁。
日本の社会では行政や医療・介護関連の申請と書類が山ほど必要。
翌日、私が市役所に着いて再度事情を話して最短で手続きが済むように依頼。そして、Aさんのご家族との待ち合わせ場所に行くと、Aさんは事前に伝えていた「戸籍謄本」や「印鑑」「パスポート」など、今後の手続きのための書類を持参していました。日本ではとにかく印鑑と各種書類が必要になります。それらの書類は1~2種類ではありません。10~20種類以上必要になります。今回、一般の人なら2~3週間かかるところ、私は3時間で終わらせました。ちなみに、日本に本帰国して日本の老人ホームで住むために必要な手続きや書類は次となります。(一部ご紹介します)
【行政関連の申請等】
・転入届
・住民票取得
・印鑑登録
・印鑑カード取得
・介護保険証申請
・マイナンバーカード申請
・要介護認定の申請
・主治医意見書の依頼
・後期高齢者医療制度の申請(75歳以上の国民健康保険)
・アメリカの社会保障年金(Social Security)を日本で受け取るための申請など
行政や医療・介護関連は普段使わない専門用語が多いのが特徴です。「日本語なのに何を言っているのか分かりません。」そのように皆さんが言われます。
親の介護、ましてや日本に本帰国して老人ホームに入居するには、先ずは日本で暮らすための申請が必要になりますので、一般の方だけで進めるのはかなり困難です。ぜひ、専門家とチームを組んで無駄な時間を使わずにスピーデイに進めていくことをお勧めします。

ひとくちメモ ~私の母87歳~ No.84
「私の母スミちゃんと過ごすと娘はグッタリする」の巻
私の母スミちゃん87歳。以前は母との程よい距離感が掴めずもがいていたけれど、今では私の心も安定している。先日、母が住んでいる賃貸住宅の更新手続きと火災保険などの手続きをして、その後、母の家で5時間くらい過ごした。すると、なぜか娘(私)は「疲労困憊ヘロヘロもへじ」になった。たいしたことはしていないのに、私の体力・気力が元に戻るのに3日間くらいかかった。その間はずっと眠りっぱなし。まるで乾いたスポンジに私のエネルギーを吸い取られたような状態。なんなのでしょうね、これ。87歳スミちゃん(母)パワー、恐るべし。 (続く)
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