NikkanSAN_TopBanner_2023-05-07

ロサンゼルスの求人、クラシファイド、地元情報など

日刊サンはロサンゼルスの日本語新聞です。 記事は毎日更新、求人、クラシファイドは毎週木曜5時更新。

特別寄稿

第三回 アメリカの遺産税はいくらになるのか
日米間にまたがる相続問題はいろいろケースが考えられますが、ここでは、皆さんが疑問に思われることを、少しづつ取り上げていきます。なお、下記で説明することは、制度の概要になりますので、実際の個別のケースの判断は、専門家にご相談下さい。


Q11: アメリカの遺産税はどうなっていますか。


A11: 前回は日本の相続税率を示したので、今回はアメリカの遺産税率を掲げます。

[アメリカの遺産税率表]
課税遺産額(ドル)             税額
0 〜 10,000未満 課税遺産額の18%
10,000以上 〜 20,000未満       1,800 + 10,000超過分の20%
20,000以上 〜 40,000未満       3,800 + 20,000超過分の22%
40,000以上 〜 60,000未満       8,200 + 40,000超過分の24%
60,000以上 〜 80,000未満       13,000 + 60,000超過分の26%
80,000以上 〜 100,000未満       18,200 + 80,000超過分の28%
100,000以上 〜150,000未満       23,800 +100,000超過分の30%
150,000以上 〜 250,000未満      38,800 +150,000超過分の32%
250,000以上 〜 500,000未満      70,800 +250,000超過分の34%
500,000以上 〜 750,000未満     155,800 + 500,000超過分の37%
750,000以上 〜 1,000,000未満    248,300 + 750,000超過分の39%
1,000,000以上           345,800 +1,000,000超過分の40%


つまり、課税遺産額が450,000ドルの場合の計算は、次のようになります。
70,800 + (450,000 – 250,000 ) x 34% = 70,800 + 200,000 x 34% = 138,800 ドル


Q12: 日本の場合は、基礎控除額があって、相続人が3人の場合は、4,800万円までは課税されないと教えてもらいましたが≪A4≫、アメリカにはそういうのはないのですか。

A12: 日本と同じようにアメリカにはExclusionというのがあります。日本では、基礎控除額がどんどん少なくなり、課税対象者が増えてきていますが、アメリカは逆でExclusionがどんどん大きくなり、特にトランプ大統領になったからは、何と、2019年は 11,400,000ドルまで控除額が増えています。≪A11≫で税率表を掲げましたが、控除が大きいために、納税する人は、ほんのわずかになっています。参考までに、控除額の一覧表を掲げます。

「アメリカの遺産税の基礎控除相当額(単位:ドル)]
被相続人             相続人
          アメリカ市民   グリーンカード     非居住者
アメリカ市民    11,400,000   11,400,000   11,400,000
グリーンカード   11,400,000   11,400,000   11,400,000
非居住者        60,000      60,000      60,000



Q13: たしかに、これだけの基礎控除額があれば、課税対象者はいくらアメリカでもそれほど、多くないでしょうね。ところで上の表の非居住者が亡くなって非居住者がアメリカで遺産税を払うというのは、どういうことでしょうか。 アメリカに住んでいない人がアメリカに税金を払うというのは、ピンとこないですが。また、Exclusionも60,000ドルとアメリカ市民、グリーンカードホルダーに比べると極端に少ないですね。 

A13: たしかにこのケースはあまりないかもしれませんが、例えば、日本に住んでいてハワイに不動産投資をしていた人が亡くなったようなケースが代表例でしょうか。つまりアメリカにある資産を相続するとアメリカでも遺産税を納める義務があります(日本にある資産についてアメリカで遺産税を納めることはありません。)。もちろん日本で相続税がかかるのは言うまでもありません。アメリカで納税する場合は、Exclusionが60,000ドルしかないので、課税対象になる公算が大ですね。例えば、51万ドルのハワイのコンドミニアムを相続した場合は、510,000 – 60,000 = 450,000ドルが課税対象なので、 ≪A11≫ の税額の計算例のとおり138,800ドルが納税額になります。コンドミニアムを相続しても納税はもちろん現金ですることになるので、納税資金の調達が大変です。もっとも、アメリカの不動産の他にも日本の相続財産に現金があれば、それを頼りにすることになりますね。 
 さらに、日米では相続税に関する条約を結んでいるので、下記の計算式による控除がアメリカでも認められます。
  11,400,000 x アメリカ国内の遺産総額/ 全世界の遺産総額 = 控除額
 つまり、今回のケースでハワイに510,000ドルのコンドミニアムがあり、日本に遺産が、1,000,000ドルあった場合、11,400,000 x 510,000/1,510,000 = 3,850,331までは控除があるので、510,000ドルのコンドミニアムを相続してもアメリカでの遺産税はかからないことになります。この場合は、日米の総遺産額をアメリカIRSに開示する必要があります。


【お問い合わせ先】浜野 好春
Two Miles | Tax and Accounting Services

3070 Bristol Street Suite 440, Costa Mesa, CA 92626
Phone: 714-437-5823 | Fax: 714-437-5824
URL: http://twomiles.net
Email: hamano@twomiles.net

Facebook   Twieet


最新のクラシファイド 定期購読
JFC International Inc Cosmos Grace 新撰組3月 Parexel pspinc ロサンゼルスのWEB制作(デザイン/開発/SEO)はSOTO-MEDIA 撃退コロナ音頭 サボテンブラザーズ 





ページトップへ