Vol.80 こんなとき、どうする?「日本から呼び寄せた母の認知症が進み米国での暮らしが困難に。②日本のホームへ入居」
海外在住のご家族が日本から高齢の親御さんを米国に呼び寄せて一緒に暮らすことを私達は「呼び寄せ」と表現しています。実際に米国に呼び寄せてお母様の介護をしていた方の例を2回連続でご紹介しています。2回目となる今回は、米国での同居をやめて日本の老人ホームに入居された親御さんとご家族がどのように進めていかれたのかをお伝えします。米国での同居をやめて、日本の老人ホームの入居を選んだ娘さん。
一時帰国前の準備。
アメリカで40年以上暮らしているAさん。お母様をアメリカに呼び寄せたけれど、お母様の認知症が進み、自宅でひとりで過ごすことが増えてきた。「このままでは母の認知症が更に進んでいく」「生まれ育った日本で暮らす方が母にとっては良いのでは?」そう思ったAさんは、お母様のために日本の老人ホームを探したいとサロンドハースにご相談くださいました。そこで、まずは一時帰国の前に、お母様や娘であるAさんのご希望に合う老人ホーム選びからスタート(以下老人ホームをホームと記載)。今はインターネットで検索すれば沢山の情報が出てきます。ただ、ここで気をつけておきたいのは「永く住まう家」として安心してお母様が暮らせるのかという観点で探すことです。ホームを選ぶときには、少なくとも以下の9項目は確認が必要です。
① 運営会社の経営状況
② 運営会社の企業理念とトップの考え方
③ スタッフの離職率
④ スタッフの研修制度
⑤ サービス内容の詳細(重要事項説明書の確認)
⑥ 利用料・一時金払い形式の場合の初期償却と償却期間
⑦ 利用料に含まれるもの、含まれないもの
⑧ 提携医療機関と医師の往診体制
⑨ 緊急誌の対応と各協力体制
これ以外にも確認しておきたいことは多々ありますが上記は必須項目です。そして、これらの条件をクリアしたホームをリストアップして親御さんに合うホームを選び、最終的に3つのホームに絞りました。

事前準備の大切さ。
一時帰国の限られた時間で実際にホームを見学して確認する。
その後、Aさんが一時帰国された時に先に選んでおいた3つのホームを見学されました。ホームの空気感やスタッフさんの様子、ほかのご入居者の雰囲気などを確認するとともに「これから暮らす家」として周辺環境の確認も大切です。また、一時帰国では時間が限られているので、Aさんとのコミュニケーションはスピードが重要。「このホームあまり好みではないので他のホームも見学したいです」など、Aさんの要望に応えるためLINEのグループチャットを活用。最終的にAさんはお母様のホームを決めて、入居契約まで一時帰国の間に完了。通常ホーム入居するには、各種書類の準備や手続きで1ヶ月~1ヶ月半かかります。Aさんが短期間でお母様のホーム入居まで進められたのは事前準備をしていたからできたことです。今ではAさんのお母様はボランティアの方と趣味のテニスを日々楽しんでいらっしゃるとのこと。「アメリカにいたときより母はイキイキとしています」とAさんがおっしゃるように、その方にとっての幸せな暮らしを専門家と一緒につくっていくことが家族にとっての幸せにも繋がると私は思っています。
時代は変わりました。家族だけで介護をする時代は終わり!介護はチームで動く時代です。ご家族だけで解決するのは無理です。専門家とチームを組んで一緒に前に進んでまいりましょう。私達はいつもあなたを思いっきり応援しています。
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ひとくちメモ ~私の母86歳~ No.79
「母の環境を整える。夜間・緊急時の対応は誰がする?」の巻①
東京で私達夫婦の家の近くで独り暮らしをしている母。今はまだ元気だけれど必ず限界が来る。そして、私はこれから長期で海外に行くことが多くなる。また、母はいつ転倒して救急搬送されるか分からない。「転倒→骨折→緊急入院→介護」、このケースは高齢者によくあること。緊急対応が必要になった時に、頼れる親族は私にはいない。他界した兄のお嫁さんや子ども達にその役目を負わせるのは、あまりにも酷すぎる。もしかしたら、母よりも先に私が他界する可能性だってある。その時、残された母の対応はどうするのか、と考え始めた娘(私)。さて!次なる行動は?(続く)










